カンタス航空、06/07年の総売上は11%増の152億ドルに、純利益も53.8%増

  • 2007年8月21日
 カンタス航空(QF)グループの2006年/2007年度(2006年7月1日〜2007年6月30日)の業績は、総売り上げが前年比11%増の152億豪ドル(約1兆5516億円)、税引き前純利益が53.8%増の10億3200万豪ドル(約1053億円)、税引き後純利益が50%増の7億2000万豪ドル(約735億円)であった。搭乗率は3%増の79.9%となり、イールドは6.9%改善した。

 QFは好調の要因として、ジェットスター(JQ)との路線の再編成を挙げている。オーストラリア国内の一部路線と、オーストラリア/ニュージーランド線の15%をQFからJQに移管しており、JQを設立した2004年と比較し、グループの税引き前利益は2億5000万豪ドル増加した。03年/04年度にQFの運航では不採算路線であった路線が、06年/07年度にはJQが引き継ぎ税引き前利益を1億1200万豪ドル計上するなど黒字に転化。2大ブランド戦略によって、オーストリア国内市場での市場占有率は67.1%を獲得しているという。

 また、航空機材の刷新やシドニーとメルボルンでのファーストクラス・ラウンジのリニューアルなど、大規模な投資を継続して行うことで、常に顧客満足度を高いレベルに保っている、としている。このほか、コスト削減プログラム「Sustainable Future」の進捗も順調で、7億5300万豪ドルのコストを削減した。なおコストのうち、燃料費は19.1%増の33億豪ドルであった。

 今後1年間についてはJQの積極的な事業展開や、株式を大量取得したベトナムのパシフィック航空(BL)との提携、中国とインドの主要成長路線への投資、アメリカ、イギリス、香港、南アフリカへの主要路線の強化、さらに南米への新規路線の開拓などを挙げた。また、FFPの見直しや、2007年末までにはQFグループ全体のパイロットを教育する、カンタス新パイロットトレーニング施設を開設するといった施策を展開していく。