JALグ、第1四半期は前期に比べ赤字縮小−旅客単価も上昇

  • 2007年8月7日
 日本航空(JL)の2008年度第1四半期決算は、売上高が0.3%減の5206億7600万円、営業損益85億4600万円の赤字(前年:319億3800万円の赤字)、経常損益32億2200万円の赤字(355億9600万円の赤字)、四半期純損益42億9000万円(267億7700万円の赤字)となった。営業損益、経常、純損益などいずれも前年から改善している。

 今期も低収益路線の運休や減便、機材のダウンサイジングなどを継続する一方、ビジネス需要の強いニューヨーク線、パリ線、また中国、ロシア、ベトナムについては増便するなどメリハリをつけた路線展開をしているところ。また、4月に正式にワンワールドに加盟し、今後のネットワーク効果が期待されるところだ。この国際線旅客収入については前年比2.5%増の1721億2600万円、有償旅客数は3.1%減の309万1999人となり、旅客1人あたりの単価は上昇する傾向。旅客収入では国内線においても2.9%増の1554億1400万円、有償旅客数は3.3%減の1002万8920人となり、こちらも単価は上昇している。

 なお、旅行企画販売事業セグメントでは、ジャルパックがバリなど東南アジアや中国方面で取扱人数を伸ばし増収。経費についても見直し、営業損益が改善しているという。また、国内旅行のジャルツアーズでは沖縄方面が引き続き堅調だが、北海道は前年割れとなったことで全体の取扱人員が減少。さらに仕入れコストが上昇したことから、売上は昨年規模を維持したものの、減益となった。旅行事業では売上高4.7%増の894億1400万円、営業損益11億2900万円の赤字(前年:20億100万円の赤字)であった。

▽JALグ、第1四半期の国際線旅客数は3.1%減、アジア方面は好調

 JALグループの第1四半期における国際線旅客数は、全体では前年比3.1%減の309万1999人であったものの、韓国や中国、東南アジア方面が好調で、また大幅に座席供給数を下げた太平洋線やオセアニア線も、有償旅客キロ(RPK)が向上して利用率が微増した。全体では有効座席キロ(ASK)が7.9%減の206億7573万7000ASK、RPKが8.6%減の140億2482万5000RPKで、利用率は2.1ポイント減の67.8%。

 韓国線はASKが6.6%増、RPKが16.8%増で利用率は6.1ポイント上昇し、69.9%、旅客数も15.2%増の43万5246人であった。中国線もRPKは9.8%増、ASKが15.8%増で利用率は2.9ポイント下がったものの、旅客数は8.2%増となった。またオセアニア線はASKが29.2%減ながらRPKが27.8%減となり、利用率は1.2%向上している。逆に利用率が大きく減少した路線は欧州線で、ASKが0.2%減に対してRPKが6.8%減少し、利用率は5.2ポイント低下した。