願い事

Mは毎年の七夕前、施設の方々のアクティビティとして短冊作りと願い事を書いてもらっているそうです。そこで最も多かった願い事は「海外旅行」。行き先を具体的に書いている方もいて、1位はハワイ、2位はグアム、3位に北欧諸国が上がったそうです。北欧諸国への訪問を書いた方は、「福祉国家の現状を自分の目で見たい」との理由から選んだそうです。Mをはじめ、その施設の職員の方々も海外旅行の研修を一度は考えたものの、実行に移せなかったとのこと。リスク、費用の高さが理由だそうです。
海外旅行は無理なものの、都内の施設から中型バスで横浜や新潟、都心のホテルでのバイキング・ランチを楽しんでいるそう。施設ではある程度、決まった食事メニューのため、濃い味付けの外食が人気なんだとか。
このようなミニ旅行へ行くときは、必ず下見に訪れ、レストランやアミューズメント・パークが受け入れ態勢か、駐車場はあるかなど、自分の目で確認。数度にわたるミーティングを経て実行するそうです。日々の業務も多く、このようなイベントを実施するのは「本当に大変」というものの、いつも実施後、施設の方々の喜ぶ笑顔を見ることで疲れが吹っ飛ぶそうです。
海外旅行へのハードルが近年、各方面のインフラが整い、ぐっと低くなりました。各航空会社、観光局のプロモーションであるように、金曜日の仕事終了後は会社からそのまま空港へ向かい、海外で過ごすという発想も一つの日常になりつつあります。その一方、まだまだ海外旅行は夢のまた夢という方々もたくさんいることを改めて確認。バリアフリー旅行の進展状況を友人に話すと、興味を示しておりました。
トラベルビジョン 高原美幸