JAL加盟でプレゼンス拡大に期待−ワンワールド、中国・インドも検討へ

  • 2007年3月2日
 日本航空(JL)のワンワールドへの正式加盟に先立ち、3月1日にJLのワンワールド加盟の披露会を開催、ワンワールドメンバーのうち、カンタス航空(QF)、アメリカン航空(AA)、イベリア航空(IB)、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)、キャセイパシフィック航空(CX)、ラン航空(LA)、フィンランド航空(AY)、及びJLと共に正式加盟するマレブ・ハンガリー航空(MA)、ロイヤルヨルダン航空(RJ)の計10社の代表が一堂に会した。

 ワンワールド理事会会長のジェフ・ディクソン氏(QF代表取締役)は、「4月1日に日本航空が加盟するほか、ロイヤル・ヨルダン航空、マレブ・ハンガリー航空3社が加わり、ワンワールド設立後、最大規模の拡大」と強調。JLの加盟については、「キャセイ・パシフィック航空、カンタス航空に加え、日本航空の加盟で、アジア太平洋地域におけるプレゼンスを拡大できる」と喜びを示した。

 また、ワンワールド加盟航空会社の共通の展望として、燃油費の高騰などの財政困難な時代を生き抜くため、航空会社単独では難しいコスト削減や、売上増加に向けて取り組んでいることを説明。また、ワンワールドは今後の拡大を目指し、中国東方航空(MU)との協議を進めているほか、中国本土への進出後はインドの航空会社とのアライアンス関係の構築を念頭に入れていることを紹介した。


▽マッカラック代表、唯一の黒字確保を強調

 ワンワールド代表のジョン・マッカラック氏は、「ワンワールドは規模だけではない。厳しい基準を通過した最良の航空会社しか加盟できない」と語り、質の高い航空会社が集結しているアライアンスとしての強みを紹介。また、唯一の黒字を確保しているアライアンスであることを強調した。

 ワンワールドには4月以降、世界のトップ航空会社20社のうち10社が加盟。総保有座席数が全世界の航空会社の座席数全体の60%を占めると強調した上で、航空会社が単独で提供できる範囲を超えたサービスや価値を旅客に提供することが求められていると示す。このため、アライアンスを組むことで、業務渡航などの顧客に対するサービスの拡充、共同購入によるコスト削減などのメリットが大きく、特に共同購入による効果は2億5000万米ドル以上となることから、アライアンスの重要性を説明した。

 なお、JL、ロイヤル・ヨルダン航空、マレブ・ハンガリー航空の加盟、および関連会社として香港ドラゴン航空、ラン・アルゼンチン航空、ラン・エクアドル航空が加わることでワンワールド全体の就航地が692都市(94都市増)、142ヶ国・地域(6ヶ国・地域増)、1日あたりの便数が9241便(1187便増)、収入が870億米ドル規模(21億米ドル増)となる。