ANAグ、07年度事業計画発表、Cクラスのみの成田/ムンバイ線開設

  • 2007年1月26日
 ANAグループは25日、2007年度(2007年4月1日〜2008年3月31日)の航空輸送事業計画を発表した。今年度は「2006〜2009年度中期経営戦略」の2年目として経営戦略の2年目として経営ビジョンであるアジアでナンバーワンの達成に向け前進していくと共に、羽田再拡張へ向けた体制構築を図る。

 国際線事業では9月1日から、成田/ムンバイ線の直行便のデイリー運航を開始する。これは、今年3月から中部/広州線に導入する「ANAビジネスジェット」ボーイングB737-700ER型機の2号機目。全日空(NH)執行役員営業推進本部副本部長の篠辺修氏は、「全日空の中国路線も柱だが、アジアでナンバーワンになるためのネットワークをつくるには経済成長が著しく、ビジネス需要が活発なインドが現時点では将来性が十分にあり、路線再開するチャンス」とコメント。「ムンバイ線は発掘型の路線。商業ではインド最大のマーケットであるし、業務渡航中心にビジネスを開拓したい」と意気込みを語った。また、発掘型路線というものの、将来的には中型、大型機材を使用できる路線へと成長するため、毎日運航し、直行便である利便性を打ち出し、営業活動を展開していく考えだ。

 また、5月1日からは成田/広州線をダブルデイリー化する。そのほか、中部/上海線を5月1日から、および成田/厦門線を6月1日から、使用機材を現行のボーイングB767-300ER型機からエアバスA320-200型機へと変更、ビジネスクラス20席、エコノミークラス90席の合計110席の小型機とする。成田/サンフランシスコ線は6月1日から、ボーイングB777-200ER型機からボーイングB777-300ERへと変更する。

 さらに、成田/ロンドン線では5月24日から、燃油サーチャージの高騰を受けて燃費効率の良いボーイングB777-300ER型機を投入する。今年度は一連の変更で国際線旅客便の運航回数が前年比19%増、座席キロが9%増となる。

▽国内線事業、8路線を増便、6路線を休止、8路線を減便
 国内線事業では、2009年度の羽田再拡張を見据えたネットワークの再編を実施し、需給適合を推進すると共に、収益性の向上を目指す。

 まず、関西/新千歳、福岡、高知線、および神戸/羽田、新千歳、沖縄線で増便し、伊丹を含む3空港の有機的な活用を行う。なお、増便路線は8路線、休止路線は6路線、減便は8路線。そのほか、4路線については今後の実績動向により休止を検討する。まず、中部/福島線は平成18年11月から平成19年10月までの期間でロードファクターが60%以上、新千歳/庄内線は平成19年7月から8月で70%以上、福岡/富山線は平成19年4月から9月で70%以上とする。なお、新千歳/松山線は運航期間を短縮するに留まっている。

▽国内線事業
<増便:8路線>
路線/実施時期/現行便数(1日あたり)/変更後便数(1日あたり)
? 関西/新千歳線 4 月1日/4往復/5往復
? 関西/高知線  4月1日/1往復(JET1便)/2往復(PROP2便)
? 関西/福岡線  4月1日/4往復/5往復
? 神戸/羽田線  4月1日/2往復/3往復
? 神戸/沖縄線  4月1日/2往復/3往復
? 沖縄/石垣線  4月1日/10往復/11往復
? 中部/新千歳線 5月1日/6往復(5月)/7往復(5月)
? 神戸/新千歳線 6月19日(4月1日〜6月18日は1日2往復+週6便)/2往復/3往復

<休止:6路線>
路線/実施時期/現行便数(1日あたり)
? 新千歳/女満別線 4月1日/1往復
? 関西/宮崎線   4月1日/2往復
? 神戸/鹿児島線  4月1日/2往復
? 神戸/新潟線   6月19日(4月1日〜6月18日は週1便)/1往復
? 仙台/函館線   7月1日/7月8月のみ1往復
? 大分/沖縄線   7月1日/1往復

<減便:8 路線>
路線/実施時期/現行便数(1日あたり)/変更後便数(1日あたり)
? 伊丹/新千歳線 4月1日/2往復/1往復
? 中部/福岡線  4月1日/14往復/12往復
? 中部/沖縄線  4月1日/4往復/3往復
? 新千歳/福岡線 4月1日/2往復/1往復(6月〜10月のみ2往復)
? 仙台/広島線  4月1日(一部期間減便)/1往復(4月〜10 月、年末年始のみ2往復)/1往復
? 新千歳/稚内線 5月1日(一部期間減便)/1往復(5月〜9月のみ2往復)/1往復(通年JET運航)
? 新千歳/利尻線 6月1日(一部期間減便)/1往復(6月〜8月のみ2往復)/1往復(通年JET運航)
? 福岡/小松線  10月1日/3往復/2往復