日本航空、国際線全クラスで08年に新シート導入、07年はプレミアムYクラス

  • 2007年1月18日
 日本航空は国際線のサービス強化策として、2007年度に「JALプレミアムエコノミー」を導入し、2008年度にはファーストクラス、エグゼクティブクラス、エコノミークラスの全クラスで新シートを導入する。西松遙JALグループCEOは「燃油費が増加する環境下において、単価を上げていくことを考える必要がある」とコメントし、国内線に導入するファーストクラスなどと合わせ、新機材での燃費効率と質の向上で収入を高める方向性を鮮明に打ち出していく。こうした方向性について西松氏は、「2007年度は本業で利益を出せるように抜本的に見直していく。このための最重要施策」と語り、国際線の座席やサービスの一新、国内線のファーストクラスの投入を表現し、浮上に向けた鍵を握るという考えを示した。


 2008年度の国際線全クラスの座席更新のうち、17日のJL発表で一部、国際線ファーストクラスのイメージを紹介(写真上)。ファーストクラスではシェル型のフルフラットシートを検討している模様だ。増収効果は国内線のファーストクラス、国際線のプレミアムエコノミーでそれぞれ年間40億円と見込んでおり、西松氏は「4年程度で回収できる」と発言しており、投資額は言明していないものの、概ね320億円程度となる見通し。


 国際線のシートでプレミアムエコノミーの導入は、国内線の「クラスJ」での成功や、旅客からの要望、他社の動向を考慮して導入を決めたもの。ビジネスクラスとなる「JALシェルフラットシート」で採用する前方座席の背もたれが倒れない構造を採用し、開発を進める。導入は欧米を中心とするボーイング777型機を予定しており、40席程度を想定。2007年秋からの予約受付を目指している。

 特徴は「ゆったり」を意識したもので、座席配列は現在の「3-3-3」から、「2-4-2」へと変更、シートピッチは約97センチで現在から20%拡大する。シートにはフットレストやパソコンの利用を前提とし、大型テーブルや電源を備えているほか、快適性も高めるものとなる。