アエロメヒコ、初便搭乗率は目標超えの90%、ローシーズンの集客を評価

  • 2006年11月21日
 アエロメヒコ(AM)は11月18日、成田/メキシコへの定期直行便を就航、初便搭乗率は当初の目標であった80%を超える90%を記録した。就航にあわせ来日したAM最高経営責任者アンドレス・コネッサ氏は、「日本の海外旅行のローシーズン時にこの数字を出せた」と評価。「現在は週2便だが、ゆくゆくは便数や就航都市の増加を」と、今後の路線拡大にも意欲を示した。

 AMは今回がアジアへの初路線となるが、日本とメキシコは移民など400年もの文化・人民交流の歴史があり、「日本を含むアジア/メキシコ間は年間33万3000人の人が訪れる。この半分が日本人で3割が中国、1割が韓国。現在はほとんど、アメリカ経由」と、市場の潜在力をアピール。北京や上海、香港などの中国や韓国などからはもちろん、日系人の多いブラジル、ペルーなど、メキシコ以遠の南米各都市からの集客を見込む。さらに、メキシコや一部の南米の国が日本入国のビザ免除国となっていることで、ビザの必要なアメリカ経由よりも利便の良さを訴える。また、ティファナ経由のルートのため「ティファナはサンディエゴと国境を接する街。初便のフライトもかなりの予約があった」と、米国・南カリフォルニア地域もターゲットにし、各地域とのコネクション強化を図るという。


▽AM就航で日本人観光客25〜30%増に期待

 AM就航にあわせ、メキシコ合衆国のロドルフォ・エリソンド観光大臣も来日。「アジアの市場を日本を通じて拓く素晴らしいチャンス」と期待を寄せる。現在、飛行機でメキシコを訪れる日本人渡航者数は年間9万1000人程度だが、今回の就航により、「25〜30%増」を期待するという。一方、訪日メキシコ人は1万8000人程度で、こちらは「50〜60%の倍増を目指したい」と述べた。


▽関西・中部地方でのマーケティングも強化、関西支社をオープン

(特派 宮田麻未) AMは初便フライトに先立ち、11月15日に大阪で記者会見とワークショップを開催。旅行会社や航空会社の関係者約20名が参加し、関西地区での注目の高さを印象付けた。

 挨拶に立ったAMアジア地区営業担当副社長のジェフリー・スターン氏は、「アジア、とりわけ日本マーケットを非常に重視している。これらの地域からメキシコへの渡航は年々拡大しており、今回の就航でこの傾向に拍車がかかることを期待している」と意欲的な姿勢を見せる。これを示すようにAMは関西支社をオープンし、関西・中部地区のマーケティングに力を入れる構えだ。

 また、カンクンやペルーのリマなどにも同日到着が可能というメリットをアピール。スターン副社長は「経由地のティファナから国内便に乗り換えることで、メキシコの他の地域へのアクセスが向上する。日本ではあまり知られていなかった、スペイン植民地時代の遺跡なども紹介していきたい」と、ティファナ空港の重要性を説いた。

 AM東日本担当エリア・マネージャーの浅野圭子氏は「直行便就航には、メキシコ政府やメキシコ政府観光局の全面的なサポートを受けている。航空便の成功は一時的な興味の高まりや、ビジネス客ばかりに頼るのではなく、リピーターを増やすのが大切」と述べ、メキシコ各地に豊富な旅行素材があることをアピールした。また、AM西日本担当エリア・マネージャーの三橋忠純氏は使用機材ボーイング777-200ERの機内アメニティやサービスを説明。日本語の通訳サービスを行う人材を6人確保しており、フライトごとに必ず1人は搭乗させるなど、機内サービスを重視する姿勢を示した。


<写真説明>
上:左から、メキシコ合衆国駐日大使シゲール・ルイス氏、メキシコ合衆国観光大臣ロドルフォ・エリソンド氏、メキシコ観光局長マグダレナ・カラール氏、アエロメヒコ航空最高経営責任者アンドレス・コネッサ氏

下:アエロメヒコ航空アジア地区営業担当副社長ジェフリー・スターン氏