マックスエアサービス、主催ツアー契約者への対応を本格化へ、返金2億5000万円にのぼる

  • 2006年6月6日
 マックスエアサービスの代表取締役指田清一氏がこのほど会見し、ワールドカップサッカー観戦ツアーに関する現状を語った。指田氏は冒頭、今回の事態を陳謝し、現在の対応については「これ以上の混乱を避ける意味から、サイト、電話メッセージにおいて個別対応は中止し、公正な対応をする」旨を表明していると釈明した。
 同社でのワールドカップ関連での申込みは当初1280名。このうち申込み金の一部、または全額の払込み手続きを済ませ、契約が成立する対象者は866名。さらに、募集型企画旅行でキャンセルを伝えたのは602名、当初からの手配旅行申込みの246名に募集型企画旅行から手配旅行への切替え依頼に対応した18名を含め、手配旅行契約は264名という内訳だ。

 指田氏によると手配旅行は5日までに航空券を顧客に対して返送用の封書を同封した上で発送を終えたという。この対応は「自力で観戦チケットを入手した場合、ドイツを訪れる航空券のみを利用、観戦についての『足を確保する』」ことに重点を置いた対応を取った。
 今後は、ツアーのキャンセルを発表してから「対応ができていなかった」募集型企画旅行の契約者への対応を進める。ただし、5月30日付けでツアーキャンセルを発表しており、約款上の返金の期限である7日を本日迎える。これについては「期限どおりに返済することは出来ない」とし、航空券の仕入れ、地上手配など仕入れを行った会社に対して返金の協力を求めていく考え。

 募集型企画旅行については、602名に対して約2億5000万円の返金が必要となる。資金のやりくりについて問われた指田氏は「手元資金、払戻金、中国国際体育旅游公司からの返金、および保証金」と回答し、今後は仕入れ額2億円をはじめ、中国国際体育旅游公司から観戦チケット代の返金分約3000万円に加え、第1種の弁済保証金7000万円も併せて返済金額の充当分として考えていく。また、自己資金の投入についても可能性として匂わせている。

 また、返金方針については、「顧客一人ひとりではなく、対象となるお客様全員に返金したい」と語る。ただし、手配旅行について、航空券を発送したものの、観戦チケットがない顧客からの航空券の返送も考えられ、募集型企画旅行の返済分2億5000万円と合わせ、指田氏は今後の顧客への返金額が膨らむ可能性があることも示唆した。こうした点については「早く終焉を迎えたほうが良いのか」などとも語り、今後は弁護士等の意見も合わせて聞きながら、対処にあたるようだ。


▽観戦チケットの入手経緯

 マックスエアサービスの代表取締役指田清一氏は今回のワールドカップサッカー観戦チケットの不足に至った理由を説明、「契約した中国国際体育旅游公司は2008年のオリンピックチケットを手配すると聞き依頼した」と語り、過去の経緯も含めて契約に至ったことを強調した。今回の契約ではチケット代のほか、最低確保枚数、観戦チケットの入手ルートについて確認した上で契約をしたという。その中でチケットの入手として「2008年の(北京)オリンピックの観戦チケットとバーターに、(ワールドカップサッカー観戦)チケットを入手できる」などと聞いたことを明らかにし、こうした説明を信用した経緯を説明した。

 また、今回の不足分については、当初は3744枚の依頼し、チャーター便での送客も考えていたが、これを取りやめ1521枚の発注を確定したという。今回の問題となったチケットはこの1521枚で、チャーターを計画していた約2200枚分の資金については、既に中国国際体育旅游公司から4120万円の返金を5月に受けているという。今後は約1500枚分にあたる約3000万円の返金を早急に行うように求めていくとしている。