TK、関西線就航で75%搭乗率目標、日本線では旅客数75%増を予測

  • 2006年4月20日
 トルコ航空(TK)のアメリカ、極東地域担当ディレクターのコナール・メハメット・タキフ氏が来日、6月14日から再開するイスタンブール/関西線をはじめ、現在の日本市場の動向と目標について語った。コナール氏は関西線の撤退時とは「トルコの経済事情が大きく異なり、ビジネス需要についても堅調さが見られる」との見方を示し、堅調な推移を予測している。TKについても、これまでトルコ政府資本が75%ほどであったが、今後はイスタンブール証券取引所の公開株が50%程度と民間企業に変貌しつつあり、「顧客サービス面を重視したサービス」を展開していく。

 昨年、日本人のトルコへの訪問者は約11万人であったが、TKの日本路線の旅客数は約5万人と、多くのシェアを占めている。搭乗率の実績でも75%から80%を確保しており、イールドについても堅調な実績を残しているという。また、トルコ政府でも現在の年間約11万人の訪問者を倍にしたいという意向もあり、関西線の就航をきっかけとして、訪問者の増加につなげる考え。特に、カッパドキアをはじめとする歴史的な遺産も多く、観光素材は豊富であることから、観光需要を飛躍的に伸ばしたい考え。当面、関西線については75%程度の搭乗率を目標とし、関空就航後の日本路線の旅客数は前年から75%増を見込んでいる。

 日本での旅客需要獲得のため、コードシェアについても前向き。現在は日本航空(JL)とコードシェア提携を成田/イスタンブール線で実施。関西線についても、関西/イスタンブール線でのコードシェア提携のほか、日本各地から関西、および成田へのコードシェアについて検討しているほか、トルコ国内でのコードシェアについても議論しているという。
 また、大阪支店も閉鎖したが、空港内については既に確保。営業展開では関西担当のスタッフはいるが、支店の再開に向けて現在、調整を進めている段階。就航の前後には改めて大阪での営業支店がオープンする見通しだ。


▽イスタンブールから3時間圏内に55ヶ国、乗継利便を強調

 コナール氏はイスタンブールをハブとした乗継についても、「3時間圏内に55ヶ国の就航先がある」とし、日本発でTKを利用するアテネ、カイロ以外に中東、ヨーロッパ、北アフリカ、CIS諸国のデスティネーションを揃えることを強調。年末までには所有機材が110機となり、来夏には120機、2010年までに135機の購入も計画されており、こうした機材を利用した就航都市の拡大を進めているところ。55ヶ国のうち多くはヨーロッパ諸国ということも踏まえ、イスタンブールを経由地とする欧州への需要についても前向きに見ているようだ。
 なお、アジア路線でも、バンコク経由シンガポール線を8月から直行便とするほか、北京線をデイリー化するなど、機材を利用した積極策、利便性の向上を図っている。