近ツーの中期経営計画、ウェブ・モバイル活用の新コンセプト店舗展開へ

  • 2006年3月9日
 近畿日本ツーリスト代表取締役社長の太田孝氏は旅丸会総会の席上、新中期経営計画(2006年〜2008年)について説明した。太田氏は個人旅行マーケット成長戦略について、近ツーの“人材”・店舗・パンフレットを強みにすることを強調。店舗を起点として利用者が求める店づくりと商品づくり、ウェブやモバイルを活用した仕組みづくりを通して、マーケットを拡大していく方針を示した。また、団体マーケットの成長戦略としては、都市圏に潜在需要に対するソリューション営業、および地域密着型営業を強化する。さらに、2005年度の安定的な利益創出に貢献したプラットフォーム戦略とクロスメディア戦略の推進、およびサービスの徹底と社員の働き甲斐の提供を図る。

 太田氏は「ネット専業会社にはない、リアルな店舗、社員、パンフレットを強みにし、パソコン、携帯電話、デジタルテレビを融合するクロスメディア戦略を推進していく」と言う。ネットを介した近ツーの宿泊券の取扱は前年比50%増の伸びを示していることを紹介し、「買いやすい方法にお客様が移行することは当たり前。お客様の視点に立ち、ネット専業会社に流れている動きを引き戻したい。その準備を積極的に取り組みたい」と説明。先ごろ提携したマーキュリー22も、こうしたネット専業会社への対抗策の一つと考えられ、ネット専業には無いリアル店舗と相乗効果を生み出すクロスメディア戦略の重要性を述べた。

 この新しい取り組みの具体例として太田氏は「4月に都内に新コンセプトの店舗を設置する」とも言及。コンセプトは、「女性を意識した開放的な店舗」で、「お客様1人1人のコミュニケーションを深め、旅の価値を高めることを可能にするショップ」と表現。「高いソリューション力とおもてなしの心に溢れたハイ・クオリティでハイ・タッチなショップを目指す」。同店舗をテスト店として、今後展開していく予定だ。