スリム化が進み、今年は「再飛躍の年」、ジャルパック梶社長

  • 2006年1月20日
 ジャルパック代表取締役社長の梶明彦氏は2006年上期商品の発売にあたり、現在の概況および経営状況などを語った。2005年度については、テロや自然災害等の「不確実の要素を飲み込んだ1740万人は、出国者数が2000年に肉薄する明るい見通し」との認識だが、主要50社統計によるパッケージツアーの消費者は「横ばいで、パッケージ離れが進んでいる」との見方を示す。また、パッケージ商品の動向としても「いっそう低価格が進捗した」と指摘。ただし、ジャルパックは今後、「低価格化の流れに巻き込まれず、中期計画の目標を達成していきたい」という。

 ただし、親会社の日本航空(JL)の路線の見直しによるサイパン線の運休、グアム、ホノルル線の一部減便は売上、送客人数にも影響。おおよそ5億円程度の減収要因となるが、「マイナス・インパクトをどこまで吸収できるかは、1月から3月の追い込み」と語り、販売に注力する考え。
 2006年度の経営状況については、これまで「社員の努力による」効率化をほぼ達成し、現地法人のスリム化も実現。既にロサンゼルスの現地法人については需要減から赤字となった経営状況から、スリム化により黒字に転じているほか、シンガポールについても現地法人のダイレクトオペレーションから間接へと切り替え、85%程度の人員効率化を進めた。こうした施策により、「身の丈にあったコスト構造」になっていることを評価。JALグループとしての製販一体化などの施策も控える中、詳細については言及を避けたものの、販売、予約面での効率化、オペレーションの集中管理などで販売店との距離を縮め、06年を「再飛躍の年」としたい考え。


▽JLワンワールド正式加盟で、ジャルパック商品展開にも幅が出るか
 また、JLの国際線の見直しと共にワンワールド正式加盟も控えており、ジャルパックの商品展開にも注目されるところ。既に他社を利用した商品の造成を手掛けているが、「これから展望が開けてくる」(梶氏)と明るい見通しを示す。

 ジャルパックは現在、アイルで95%、アヴァで90%弱がJLを利用する商品。ただしオセアニアでは外航利用が40%台となっており、ワンワールド加盟会社を利用する商品展開は既に着手。特にアメリカン航空(AA)を利用するメキシコ方面、ブリティッシュエアウエイズを利用したアフリカ方面などのロンドン以遠、フィンランド航空(AY)を利用したサンクトペテルブルグなどヘルシンキの乗継利便性を活用した商品展開が視野にあるよう。今期はアヴァでAYを利用した北欧方面の商品を設定しており、今後もこうしたワンワールド加盟社を中心とした商品造成が進みそうだ。