全日空（NH）の平成17年3月期連結決算は売上高が前年比6.2％増の1兆2928億1300万円、営業利益は126.4％増の777億7400万円、経常利益は95.0％増の652億2400万円、当期純利益は8.9％増の269億7000万円であった。
　航空事業は羽田第2ターミナル、中部空港の開港など大規模開業に伴い、施設面での改善や利便性向上を図ったほか、旅客単価向上を目指す「PROS（Passenger Revenue Optimization System）」を導入し、内際共にデータを活用することで収益性を向上。また、燃油費の増大などの経営課題も発生したが、国内線では機材のダウンサイジング、国際線では中国線をはじめとしたネットワーク強化とアライアンスの強化、eチケット化を推進して対処。特に国際線旅客事業については国際線就航以来初めてとなる経常黒字を達成した。
　旅行事業は売上高で12.9％増、営業利益で51.1％増を記録。国内、海外旅行とも前年比を上回る結果となり、特に国内はWeb販売の強化、海外では中国での現地法人の設立をはじめとして旅行の一連の態勢について強化を図った。
　また、今後については全般として燃油費の高止まりによる費用負担を克服することを大きな経営課題とするほか、羽田空港の再拡張を契機とする競争に備えた財務体質の強化などを柱とする中期経営計画に沿う体制作りを進める。また、需要に即応する機材投入や国際線での中国路線強化で近距離国際線を国内線化することで黒字拡大を計る。18年度3月期は売上高1兆3260億円、営業利益740億円、経常利益445億円、当期純利益100億円を予想している。

＜国内線＞
旅客数　4448万5771人（0.7％減）
座席キロ　606億4894万9000席キロ（4.0％減）
旅客キロ　384億5414万5000人キロ（1.0％減）
利用率　63.4％（1.9ポイント増）
＜国際線＞
旅客数　411万6095人（24.7％増）
座席キロ　251億9029万4000席キロ（2.3％増）
旅客キロ　191億9101万6000人キロ（13.2％増）
利用率　76.2％（7.4ポイント増）

＜事業別売上＞売上高（前年比）／営業損益（前年比）
航空運送　1兆669億4100万円（6.9％増）／680億4100万円（149.5％増）
旅行　1902億9400万円（12.9％増）／31億2400万円（51.1％増）
ホテル　694億9800万円（1.0％増）／4億6700万円［赤字］（-）
その他　1833億5700万円（3.6％増）／69億8200万円（48.8％増）