JTB、06年4月に持株会社化、退職給付の一括償却で財務基盤安定図る
ジェイティービーは2006年4月から、事業持株会社へ移行する。JTBグループ各社は展開する主力事業に個々に特化する動きに加速し、グループ全体として細分化する旅行市場への対応を図る。また、事業持株会社はブランド等の管理を行うことで求心力を保つこととする。こうした決断の背景は、今年度の取扱額が好調に推移したことを受け、退職給付未認識債務を2005年3月期、2006年3月期の2年間で一括償却できる経営基盤となったことが挙げられる。JTBは当初、退職給付未認識債務は2000年3月期時点の確定未認識債務819億円を15年間で償却する計画であったが、今期と来期で一括償却することで、2006年度以降の収益の安定化を狙う。このため、今期の決算において、年金関連の損益に対する影響は276億円となり、通期の純利益は30億円の赤字を計上する見込みだ。なお、償却によるランニングコストは150億円から20億円へと減少する見込み。
29日に会見したJTB代表取締役社長の佐々木隆氏は、「2006年から成長のシナリオを描く」と強調。特にJTBグループ傘下の152社が個々に発展することは、成長曲線を描くためには旅行市場の成熟化、多様化などが顕著となるにつれ、必要不可欠の事項。既に、「総合旅行会社」から、「交流文化産業」へと主力事業を拡張すると打ち出しているが、全国展開するグループが一律に発展することではなく、それぞれが専門的に、独自に発展していくことを鮮明に打ち出すと共に、こうした方向への実質的な移行が急務となっていた。この課題に対し、個々の会社、あるいはマーケットごとに敏速な対応ができる仕組みへと変貌を遂げることが今回の持株会社化、そして経営のリスク軽減を図る一括償却となる。
佐々木氏は「過去の成功が邪魔になってきた。世代も若返る必要がある」とコメントし、新たな時代へ一歩踏み出すよう体制を変革する意気込みを示す。また、インターネットの対策も大きな検討事項だ。サプライヤーの直販化は進み、インターネット専業の旅行会社などとの価格勝負にも対抗する必要がある。ただし、こうした状況について佐々木氏は「消費者は賢く比較購買をしている。また、オンライン決済システムなどでJTBの仕入れ力を生かし、他サイトへ提供することもまだ可能」とし、こうした旅行市場を取り巻く一連の動きにグループ各社が個々に対応することを強調する。今後は個別特化したJTB各社と、既存の企業が新たな競争を行う様相へ変化していきそうだ。
なお、2006年4月以降の組織は、事業持株会社がグループ本社機能と国内商品造成事業部門、システム等のプラットフォーム機能を持つ。この傘下に、旅行事業会社群と旅行サポート会社群、ソリューション事業会社群、出版・広告事業会社群、商事事業会社群、独立事業会社群、シェアド・サービス会社群を置く。特に、旅行事業会社群は地域会社、全国一体型会社、事業分類別会社、仕入・造成会社、海外事業会社に分かれる。このうち、地域会社は全国を約10社程度で構成する予定で、大都市圏は専門性と利便性を追求、他方で総合力と効率性を追求する会社とに別れる見込みだ。
こうした展開により、2008年度には連結取扱額が2兆円(2004年計画:1兆6800億円)、連結売上総利益が3300億円(同:3170億円)、連結経常利益が200億円(同:70億円)を目指す。このうち、2008年度の旅行取扱額は1兆7000億円としており、中でもeコマース分野では2004年度計画の700億円から1650億円の約2.3倍、イベントコンベンションは830億円から1500億円と約1.8倍を目指す。
29日に会見したJTB代表取締役社長の佐々木隆氏は、「2006年から成長のシナリオを描く」と強調。特にJTBグループ傘下の152社が個々に発展することは、成長曲線を描くためには旅行市場の成熟化、多様化などが顕著となるにつれ、必要不可欠の事項。既に、「総合旅行会社」から、「交流文化産業」へと主力事業を拡張すると打ち出しているが、全国展開するグループが一律に発展することではなく、それぞれが専門的に、独自に発展していくことを鮮明に打ち出すと共に、こうした方向への実質的な移行が急務となっていた。この課題に対し、個々の会社、あるいはマーケットごとに敏速な対応ができる仕組みへと変貌を遂げることが今回の持株会社化、そして経営のリスク軽減を図る一括償却となる。
佐々木氏は「過去の成功が邪魔になってきた。世代も若返る必要がある」とコメントし、新たな時代へ一歩踏み出すよう体制を変革する意気込みを示す。また、インターネットの対策も大きな検討事項だ。サプライヤーの直販化は進み、インターネット専業の旅行会社などとの価格勝負にも対抗する必要がある。ただし、こうした状況について佐々木氏は「消費者は賢く比較購買をしている。また、オンライン決済システムなどでJTBの仕入れ力を生かし、他サイトへ提供することもまだ可能」とし、こうした旅行市場を取り巻く一連の動きにグループ各社が個々に対応することを強調する。今後は個別特化したJTB各社と、既存の企業が新たな競争を行う様相へ変化していきそうだ。
なお、2006年4月以降の組織は、事業持株会社がグループ本社機能と国内商品造成事業部門、システム等のプラットフォーム機能を持つ。この傘下に、旅行事業会社群と旅行サポート会社群、ソリューション事業会社群、出版・広告事業会社群、商事事業会社群、独立事業会社群、シェアド・サービス会社群を置く。特に、旅行事業会社群は地域会社、全国一体型会社、事業分類別会社、仕入・造成会社、海外事業会社に分かれる。このうち、地域会社は全国を約10社程度で構成する予定で、大都市圏は専門性と利便性を追求、他方で総合力と効率性を追求する会社とに別れる見込みだ。
こうした展開により、2008年度には連結取扱額が2兆円(2004年計画:1兆6800億円)、連結売上総利益が3300億円(同:3170億円)、連結経常利益が200億円(同:70億円)を目指す。このうち、2008年度の旅行取扱額は1兆7000億円としており、中でもeコマース分野では2004年度計画の700億円から1650億円の約2.3倍、イベントコンベンションは830億円から1500億円と約1.8倍を目指す。