近ツー、日旅、阪急、HIS、5月の総取扱額は前年比20%減を下回る

  • 2003年6月30日
 近畿日本ツーリスト、日本旅行、阪急交通社、エイチ・アイ・エスの5月の総取扱額が出揃った。各社とも総取扱額は海外旅行の減少幅が響き20%以上の減少となった。ただし、5月の海外旅行が不振な中でも、近ツーと日旅では6月25日から、HISは6月26日から、阪急は7月1日から中国・北京市への主催ツアーの催行を再開するなど明るい兆しが出始めている。また、需要喚起を目的に低価格商品の販売に加え、「ロシアは昨年比で取扱人員が増加する見込み」(阪急)、「海外旅行が全体的に低迷する中でも30%減のハワイ、フィジー・ニューカレドニア・タヒチなどの南太平洋は比較的動きは良い」(近ツー)がどれだけ取扱額を増加するかが鍵となる。また、ヤンキース・松井選手の観戦ツアーを筆頭に、「スイスでのハイキングなどを組み合わせたツアーは好調」(阪急)とSITの旅行商品は市場環境が悪い中でも比較的好調に推移しているようだ。また、HISの「供給不足が懸念される方面の座席確保を強化すると共にチャーター便で他社と差別化を図る」との施策も注目される。今後は、各社の販売強化や営業面での施策、政府観光局とのキャンペーンなどの動向が海外旅行客の引き戻しに一層重要な役割を果たしそうだ。
 なお各社の総取扱額、海外旅行、国内旅行、対前年比などの詳細は下記の通り。

▽近畿日本ツーリスト(金額/前年比)
総取扱額 455億1953万8000円/23.1%減
海外旅行取扱額 70億854万4000円/63.1%減
国内旅行取扱額 383億5265万5000円/3.9%減

▽日本旅行
総取扱額 313億4622万7000円/20.0%減
海外旅行取扱額 48億5584万1000円/56.2%減
国内旅行取扱額 262億6621万6000円/5.5%減

▽阪急交通社
総取扱額 173億7534万6000円/25.1%減
海外旅行取扱額 82億7764万6000円/53.8%減
国内旅行取扱額 90億1906万3000円/71.5%増

▽エイチ・アイ・エス
総取扱額 77億2792万7000円/42.1%減
海外旅行取扱額 71億5717万3000円/44.3%減
国内旅行取扱額 5億7075万4000円/23.1%増