JATA、第70回定時総会を開催 原優二新会長の下で双方向交流の拡大へ

  • 2026年6月18日
原優二新会長

 日本旅行業協会(JATA)は6月17日、都内で第70回定時総会を開催し、役員改選を行った。新会長には風の旅行社の原優二代表取締役会長を第14代会長として選任した。新体制では、アウトバウンド需要の回復とインバウンド拡大による双方向交流の実現に加え、旅行産業の高付加価値化や生産性向上、人材確保を重点課題に掲げ、観光立国政策の推進に取り組む。

 新会長に就任した原氏は総会後の懇親会で、「高橋前会長が築いてこられた歩みをしっかり受け継ぎ、会員各社や関係者の力添えをいただきながら誠心誠意努めていく」と就任の決意を表明した。

 原氏は、訪日外国人旅行者数が過去最高を更新し、2030年の政府目標である6000万人も現実味を帯びてきたとした一方、日本人海外旅行については「今年こそ復活させ、観光庁と協力しながらバランスの取れた国家間の双方向交流を実現したい」と強調した。また、地方への誘客や旅行商品の高付加価値化を通じて地域経済への貢献をさらに進める考えを示した。

 さらに、旅行業界がこれまで抱えてきた生産性や労働環境への課題にも言及し、「旅行商品の高付加価値化を図り、生産性を向上させ、働き方改革をさらに進め、やりがいと働きがいのある産業へと変えていく」と述べ、若い人材が将来に希望を持って働ける産業づくりを目指す姿勢を示した。「観光は平和産業」であるとした上で、旅行産業が国際相互理解と平和につながる役割を果たすことへの期待も語った。

 新体制では、副会長に阪急交通社の酒井淳代表取締役会長、JTBの山北栄二郎代表取締役 社長執行役員、日本旅行の吉田圭吾代表取締役社長兼執行役員が就任した。酒井氏は海外旅行推進委員長を兼務し、山北氏は訪日旅行推進委員長、吉田氏は国内旅行推進委員長を務める。

 総会では2025年度事業報告・収支決算、役員選任、常勤役員報酬の3議案を原案どおり承認した。髙橋広行会長は総会冒頭で、2025年の訪日外国人旅行者数が4268万人を超えた一方、日本人出国者数は1473万人とコロナ前の水準に届いていない現状を説明し、「インバウンドとアウトバウンドのバランスの取れた発展が観光立国日本には不可欠」と強調した。また、第5次観光立国推進基本計画にJATAの提言が数多く反映されたことを評価するとともに、JNTO機能を活用したアウトバウンド促進やラーケーション、ユニバーサルツーリズムなどの推進に期待を示した。

金子国土交通大臣

 懇親会には金子国土交通大臣や木原官房長官らが出席した。金子国土交通大臣は、観光産業が自動車産業に次ぐ輸出産業へ成長したと評価し、「旅行業界は我が国の戦略産業を支える中核」と述べた上で、2030年の訪日客6000万人、旅行消費額15兆円の目標達成に向け、国際観光旅客税の財源も活用しながら観光施策を推進する考えを示した。

 木原官房長官は、自身が航空会社出身で旅行業界と長い関わりがあることに触れ、インバウンドが大きく成長する一方、アウトバウンドは円安や燃油サーチャージの影響もあり回復途上との認識を示した。その上で、「着実に伸びており、お客様は必ずいる」と期待を寄せるとともに、「人が動くことで日本は強く豊かになる。旅行業は元気な日本を引っ張るかけがえのない存在」と述べ、業界のさらなる発展に期待を示した。

 JATAは新体制のもと、訪日・国内・海外旅行の三位一体による市場拡大を図るとともに、観光産業の持続的な成長と旅行業界全体の価値向上を目指していく考えだ。