豪州、不確実性の中でも日本市場は「活動継続こそ勝ち筋」、新路線やセルフドライブへの意欲も(前編)
オーストラリア政府観光局(TA)が5月11日から5月14日まで南オーストラリア州アデレードで開催した毎年恒例の旅行商談会「オーストラリア・ツーリズム・エクスチェンジ(ATE26)」。中東情勢などで世界経済や国際観光市場の不透明感が増すなかでも、会場では約5.5万件の商談が活発に交わされた。会場での取材では、不透明さの増す国際観光市場でも日本市場への明るい期待が聞かれ、新路線やセルフドライブへの意欲も複数。TAと各州・地域の現状認識や方針を責任者・担当者の取材から前後編に分けて紹介する。(前後編の前編)
ロビン・マック氏(総局長、画像左)
デレック・ベインズ氏(日本・韓国地区局長)
マック氏の就任後、新たにTAのミッションとして「すべての旅行者が夢見る第一のデスティネーションとなり、最終的に選ばれる場所になること」を設定。オーストラリア訪問を夢見る人を増やし、そして実際に訪問に結びつけることを使命として再確認した。
日本人訪問者数は3月までの12ヶ月間で前年比9%増。2019年比でも2月時点で91%に達し、「マーケットシェアの観点ではオーストラリアが選ばれている。非常に好調」と手応え十分だ。
中東情勢や原油価格高騰に対しては、消費者の意識調査データや座席供給数などの航空データを注視し必要に応じてアクティビティを調整する考えで、日本ではマーケティング活動の継続を重視。「こういう時期だからこそ活動継続が機会につながる」「“グッデイ”と歓迎する、オーストラリアへの招待を絶やさないように」との考えだ。MICEなどでは中東の代替地としてオーストラリアが選ばれるケースも出ており、今後も「安全で安心できる目的地」としての需要獲得をねらう。
業界向けにも、オージー・スペシャリスト・プログラム(ASP)を含めて積極的な投資を継続。ASPは3500人がすでに資格を取得済みだ。課題は早期予約の促進で、航空座席数が増えても旺盛な訪日需要に圧迫される状況であることから、旅行会社などに早期特典や早割価格を設定してもらうよう働きかけているところ。
一方、中長期的には更なる座席増で問題は緩和されるとも見ており、例えばカンタス航空(QF)が羽田枠拡大を希望しているほか、札幌便の追加や全日空(NH)のパース線も10月末からのデイリー運航が決定している。
次ページ >>>ニュー・サウス・ウェールズ州、クイーンズランド州


