銚子・食材クエスト/富士宮・富士山麓の食文化ツアー、生産者との結びつきが需要を呼び込む

  • 2026年2月26日

 農業・漁業体験や生産者訪問を通じ、地域産業と観光業の活性化を図る動きとして、クラウドファンディングや地方の地域活性化支援事業(創業者向け補助金)を活用した地方事業者によるツアー造成が進んでいる。千葉県銚子の「食材クエスト」と静岡県富士山麓の食文化ツアーの内容をレポートする。

生産者訪問を企業向け研修に活かす【千葉県・銚子】

 銚子では、チームビルディングやワーケーションなど社内研修として「生産者を巡って集めた食材で、最後に調理まで行う【食材クエスト】」を提案するAREYOUGOINGのスタディツアーに参加した。

銚子漁港は水揚げ量日本一。銚子はヤマサ醤油やヒゲタ醤油など醤油の生産でも有名。銚子駅は東京駅から特急しおさい号利用で約1時間50分。

 AREYOUGOINGが提供するのは、農水産業体験でNo.1を目指すまち「銚子」を支援する学びのプログラム。同社代表取締役には、共に銚子にUターンをして農業・レストラン経営・古民家宿の運営に携わる坂尾英彦氏と銚子のクラフトビールを造る銚子ビール藤兵衛醸所やレストランを経営する佐久間快枝氏が就いている。

 企業向け農水産業体験プログラム「食材クエスト」の1泊2日のプログラムでは、1日目ガイドなしで自転車に乗って生産者を巡り、キャベツや青パパイヤなど食材を集める。

「Hennery Farm」ではアフロキャベツ、「伊右衛門ファーム」では青パパイヤを収穫。

 生態系の変化や気候変動などによる生産の苦労、人口減少と高齢化による後継者問題など、直接生産者から生産現場の問題を聞きながら、銚子の生産品について知ることができる。また、銚子漁港・市場見学や漁師との交流が入ることも。

 また、農業・漁業・醸・食体験などを通じてSDGsの取り組みを体感することもできる。参加したツアーでは、銚子のクラフトビール「銚子ビール」の醸造所で、ビール醸造の過程で出るモルト粕(かす)を、すりおろし人参や大麦と混ぜ、クッキー造りを体験した。

モルト粕(かす)は、食物繊維が豊富で高タンパク。香ばしいクッキーにアップサイクルできた。

 研修1日目の最後には、生成AIを利用してその日のまとめをイラストなどで各自プレゼンというのが今どきだった。2日目には、チームに分かれて集めてきた食材をどう利用するかメニューを考えて調理実習。チームビルディングの目的も果たす。

 銚子電鉄など地元の提携事業者や自治体とも連携し、銚子の魅力を食材クエストを通じて広めようという熱意が感じられた。