旅行先選びの主軸はウェルネス、マリオットが富裕層の志向変化をレポート

 マリオット・インターナショナルは、アジア太平洋地域の富裕層旅行者1750人を対象に実施した調査結果をまとめた「The Intentional Traveler Report」を発表した。調査では、旅行に対する目的意識やウェルネスへの関心の高まり、自然体験を重視する傾向など、ラグジュアリー・トラベルにおけるトレンドが浮き彫りとなった。

 本レポートは、豪州、シンガポール、インド、日本など7カ国を対象に、各市場250人の富裕層を調査したもの。回答者の72%が今後1年以内にラグジュアリー・トラベルへの支出を増やす意向を示し、特に豪州やインドネシア、シンガポールで投資意欲が顕著であることが明らかとなった。

 旅行先の選定では「ウェルネス」が最大の優先事項となっており、90%が重視すると回答。森林浴や睡眠改善セラピー、音響療法などが人気を集めており、アジア太平洋地域は最も注目されるウェルネス旅行先として支持されている。

 また、旅の計画段階でも意図的な傾向が強まっており、短期旅行でも1~2カ月前から予約を完了させるケースが多く、平均宿泊数は従来の3泊から4泊に延びている。93%がパーソナライズされた体験を求め、62%がすべての旅程を事前に綿密に計画しているという。

 旅行スタイルの変化も見逃せない。Z世代は自然体験や少人数旅行を好み、31%が一人旅への関心を示している。また、ひとり親と子どもの旅行も24%に増加し、学習や宗教行事など教育的要素の高い旅程が重視されている。さらに、旅行とビジネスを両立する「ベンチャー旅行者」は86%に達し、前年(69%)から大幅に拡大している。

 人気目的地では、日本や豪州といった定番のほか、バングラデシュやニュージーランドなど新興デスティネーションへの関心も高まっており、アクセスの良さとユニークな体験が評価されている。加えて、92%が自然との近さを旅行の重要な要素に挙げており、没入型のアウトドア体験への関心が高まっている。その他、サファリ旅行や田舎での滞在も注目されているという。