HIS、2025年10月期中間期は営業利益21.6%増 旅行事業が牽引

 HISは、2025年10月期第2四半期(中間期、2024年11月~2025年4月)の連結決算を発表し、売上高は1813億円(前年同期比12.7%増)、営業利益は67億円(同21.6%増)と増収増益を確保した。

 全セグメントが前年を上回る増収を記録する中で、特に旅行事業の売上高は1495億円(前年同期比13.9%増)、営業利益は56億円(同18.9%増)と、業績を大きく牽引した。日本発の海外旅行では、年末年始から春休みにかけての需要が堅調に推移し、ハワイ・ミクロネシアや欧州・中近東方面が回復を主導した。一方、韓国LCCの減便や機材縮小が影響したアジア方面は一時的に伸び悩んだが、「AirZ」ブランドによる商品訴求や販促キャンペーンが奏功し、集客を確保した。

 国内旅行では、沖縄や北海道などの強化地域での商品展開が進み、那覇滞在者向けの専用シャトルバスやビーチ施設の提供などが集客に寄与。JALキャンペーンとの連動で航空券と宿泊を組み合わせたダイナミックパッケージも販売を伸ばした。訪日旅行分野では、欧米からの団体旅行が堅調に推移し、定番のゴールデンルートが人気を集めた。桜シーズンには、バスツアーやOTA連携を活用した集客強化により、訪日事業部の単月売上が2カ月連続で過去最高を更新した。

 ホテル事業は、国内ホテルの高稼働と客室単価の上昇が継続し、売上高124億円(同8.2%増)、営業利益19億円(同8.4%増)を記録した。特に訪日外国人の利用が好調だったことに加え、宿泊需要の拡大を狙ったキャンペーン展開も効果を上げた。

 また、九州産交グループでは、訪日需要の増加とTSMCの進出による人流活性化が寄与し、バス事業や航空代理店業、飲食・物販事業がいずれも好調に推移。売上高は126億円(同5.9%増)、営業利益は5億円(同73.3%増)と大幅な増益となった。

 連結純利益は38億円(同4.1%増)を確保し、前年を上回った。なお、2025年10月期通期の業績予想は、売上高3900億円、営業利益120億円と従来予想を据え置いている。下期は、欧州・中近東・アフリカ方面の専門店を大阪にも開設し、関西発着の海外旅行需要の取り込みを強化するほか、サウジアラビアやペルーといった新規デスティネーション開拓も推進する。加えて、業務効率化を目的とした手配業務のSSC(シェアードサービスセンター)移管を進め、グローバル展開の基盤構築を図る。