JTB、小規模中学校向け「らくらくオーダー修学旅行」開始 業務負担軽減と平準化支援

  • 2025年6月10日

 JTBは10日、小規模公立中学校向けに新サービス「らくらくオーダー修学旅行」の提供を開始した。修学旅行の準備・手配にかかる教職員の負担を軽減しつつ、観光業界の課題解決にも貢献することで、持続可能な修学旅行の実現を目指す。

 主な対象は30~50名規模の公立中学校。第一弾として関西方面(京都・奈良)を訪問先とし、学校関係者との事前打ち合わせはすべてオンラインで行うことで準備負担を軽減する。

 本サービスは、オーダーメイド型ながらもJTBが推奨するモデルプランをベースに最小限の調整で計画を立てられる設計となっており、対面打ち合わせやゼロからのプラン作成に比べ、効率的な運用が可能となる。

 近年、修学旅行は教育的意義が再評価されている一方、小規模校では教職員の多忙化や旅行手配の煩雑さが課題とされていた。また、観光地の混雑や2024年4月施行の働き方改革関連法によるバス運転手の労働制限といった「2024年問題」も、交通や宿泊の確保を難しくしていた。

 本サービスでは、こうした課題に対応し、修学旅行の機会確保、教職員の業務軽減、観光事業者側の稼働平準化を促進することが期待されている。

 今後JTBは、公立中学校での試験運用を通じて市場の反応を見極めながら、さらなる拡大を検討する。教育機関との連携を深めることで、修学旅行の持続可能なモデル構築を目指す方針だ。