TIFS会員インタビューVol.16 大阪から全国へ、宿泊・地域連携・サウナで仕掛ける持続可能な観光-インプリージョン 小田切聡氏

小田切 全国に7つの宿泊施設を展開しており、そのうち4つが直営、3つが提携です。いずれも無人運営型で、地元の方に清掃や見回りをお願いしています。1回数千円程度の仕事ですが、地元の方にとってはちょっとしたお小遣いになり、地域内の雇用にもつながっています。
ただ、どこも例外なく人手不足と高齢化が深刻です。それでも「地域を元気にしたい」という思いを持つ方と一緒にスタートできれば、空き家や人的資源を活かす形で、着実に事業として根づかせることが可能だと感じています。
小田切 個人的にサウナが大好きで、過去には1ヶ月に38施設巡ったこともあります(笑)。その中で「サウナを知らない人が設計したな」と思う施設も多く、動線や水の流れ、導線設計の甘さなどに気づくようになってきました。
最近では、温浴施設の再生案件のコンサル相談も増えており、自社の宿泊施設にもサウナを導入しました。サウナ専門ポータルサイト「サウナイキタイ」上位にランクインする施設を全国で視察し、ノウハウを蓄積しています。
現在は行政が所有する老朽化した温浴施設を定借で借り受け、改修・運営していくスキームを検討中です。ハードはしっかりしているところが多く、補助金なども活用すれば民間でも十分再生可能な案件が多く眠っています。
小田切 地域に人を呼びたいけれど、どうしていいか分からない――そういう声は本当に多いです。そうした方々と一緒に補助事業にチャレンジするのもひとつの方法です。もちろん、しっかり費用を払ってくださる企業があればありがたいですが、特に地方ではコンサルに潤沢な予算を割けるところは少ないのが実情。でも、思いさえあれば一緒に動き出すことは可能です。TIFS会員の皆さんと、そんな出会いが生まれることを期待しています。
小田切 現在弊社は旅行業登録はしていませんが、長年旅行会社の裏方として現場に関わってきました。いわば「観光業の広い仲間」として、業界の動きや変化には大きな関心を持っています。旅行業界の皆さんには、ぜひ地域との新しい関わり方に目を向けてほしいと思いますし、もし何か一緒にできることがあれば、ぜひ気軽に声をかけてください。
※TIFS運営からのお願い:会員の限りある時間と苦労を重ねて培ってきた知見を尊重し、情報収集目的のみのお問い合わせはお控えください。