伝統的サウナ「ピルティス」体験を観光素材に、リトアニア政府観光局

リトアニア政府観光局はこのほど、メディアや旅行業界関係者約30人を対象にリトアニアの伝統的なサウナ「ピルティス」をテーマとしたセミナーを開催した。
当日はピルティスのプロフェッショナル・バスマスター協会会長ビルテ・マシリアウスキエネ氏、リトアニア政府観光局B2Bプロジェクトマネージャーのエルゼ・ヴィシュニアウスカイ・ミッケ氏が来日。さらに駐日リトアニア大使のオーレリウス・ジーカス氏の臨席のもと、同国の文化体験や見どころを紹介しながら、リトアニアへの来訪を強く呼びかけた。
■バルト三国周遊からリトアニア1カ国滞在が増加

リトアニア政府観光局のミッケ氏によると、同国の主要な外国人市場は欧州近隣諸国ではドイツ、ラトビア、英国の順に多く、ロングホールではアメリカが最多。日本人客はコロナ禍前の2019年は約2万人を数えていた。2024年は約5000人で、「ゆっくりとではあるが復調傾向にある」という。
グループ、FITの割合は約半々で、これはコロナ禍前と変わってはいないが、コロナ禍前はバルト三国周遊などの来訪が主だったが、近年リトアニア1カ国訪問が増えているという。「リトアニアはユーロ圏だが、他の欧州諸国と比べ物価が安く、値ごろ感があるのでは」とミッケ氏は分析。治安の良さや観光混雑の少なさ、自然の豊かさに触れたうえで、「ピルティスのような伝統文化体験を組み込んだ癒しの旅を提案したい。滞在日数5~7日とするのが目標」と語った。
■ピルティスはフレキシブルな組み込みが可能
このたびリトアニア政府が取り上げたピルティスは、この国の伝統的なサウナの一種。サウナ小屋同様、森に建つ蒸気が充満したピルティス小屋で身体を癒すもので、室内はサウナより低温の60~70度。また、ピルティスには「卵が孵化する」という意味もあり、バスマスターがハーブの枝を用いた施術を施し心身の「孵化」をケアする。ピルティス小屋は首都ビリニュス郊外をはじめ「至る所にある。施術は通常は3~4時間だが、要望に応じて1~2時間のプログラムを組むことも可能」とマシリアウスキエネ会長。セミナー冒頭で挨拶したジーカス駐日リトアニア大使も「体験したら病みつきなる。ぜひリトアニアへ」と流暢な日本語で挨拶した。
なお、セミナーにはターキッシュエアラインズ(TK)日本支社旅客営業部部長の堀直美氏も登壇。TKはイスタンブールまで約11時間と、「事実上ヨーロッパ最速便」であることに触れたうえで、リトアニアのビリニュスへはイスタンブールから約3時間でアクセスできる利便性をアピールした。