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元大手広告マンが”建築”を軸に挑むまちづくりのかたちとは?-Koe代表 小川翔大氏

  • 2024年1月25日

 盛岡駅から車で30分ほどの場所に、大手広告代理店での経験を経て、地域づくりをするために独立をした合同会社Koe代表 小川翔大氏が拠点とする紫波町がある。自らのまちづくりの在り方を模索しながら着実にその地に根付き、ビジネスを進めている小川氏の背景に迫った。

Koe
Koe代表 小川翔大氏
-はじめに自己紹介をお願いいたします。

小川翔大氏(以下敬称略) 埼玉県出身で今年36歳になりました。日本大学生産工学部建築学科で学び、2010年に総合広告代理店の東急エージェンシーへ入社、4年間都内で勤務した後、地方創生に関わる仕事をするために自ら希望を出して福岡支社へ転勤をしました。5年近く九州エリアの様々な行政と一緒に地方創生の仕事をしました。2019年の独立を機に、まちづくりの金字塔と言われている岩手県紫波町のオガールで修行しながら自ら事業もする為に移住しました。今年で4年目ですが、この地で様々な事業に取り組んでいます。

-ということは、元々は建築家になりたかったのですか?

小川 そうですね、大学生のときはひたすら建築の勉強をしていました。その中で、色々な決まりごとを守りつつ、いかにその土地やその人の思いにあったデザインをするのかが建築の醍醐味であると実感し、より建築が好きになりました。

 そして「建築の幅を広げる・総合的な建築を実現する」ためには、建築の前段階である企画、後段階の運営、双方ができるようになりたいと考えるようになりました。そこで、まずは企画のプロフェッショナルである総合広告代理店の東急エージェンシーに入社したという経緯です。

 その後働きながら勉強をして一級建築士の資格を取ったり、まちづくり専門の外部大学院にも通ったりしました。その時講師として出会ったのが国の補助金に頼らない公民連携の「オガールプロジェクト」を率いている岡崎正信氏です。

-そもそもなぜ「まちづくり」に興味を持ったのでしょうか?

小川 建築に関する見聞を深めるために、まちづくり専門家の木下斉さんの書籍を読んでいた時に、「自分がやりたい総合的な建築=まちづくり」だと気づきました。まちづくりには絶対的に建築が関わってきます。また、町を元気にするというのはその前段階で「どうやったら良いのか?」という企画・計画が無いと、おしゃれな建物だけあっても成り立たない。もっと言えば、おしゃれな建物をつくっても経営が成り立たないと意味がない。企画・設計・運営をトータルでプロデュースすることが、いわゆる「まちづくり」だと繋がったのです。