海外旅行の復活へ、潜在市場は1715万人規模!-早期回復へターゲットは?

まずは「意向あり」の2300万人を動かそう

 そして今後のアウトバウンド促進に向けた方向性では、まず短期的に動く層をターゲットとするよう提案。具体的には、コロナ後にすでに海外旅行に行った約600万人に加えて、まだ行っていないけれども意向のある層が2300万人いることから、短期的にはここへのアプローチによってコロナ禍前の水準を回復。そして中長期的には未経験だけれども関心のある潜在市場に働きかけることで更なる拡大をはかるべきと主張。

 資料では具体的に5つのペルソナも設定してその概要とそれに合わせたプロモーションの方向性を紹介。資料はツーリズムEXPOジャパンのYouTube公式アカウントで公開されている動画内で確認可能だ。

双方向チャーターやワーケーションなど今後のヒントも

(左から)スペイン政府観光局の風間氏、マレーシア政府観光局の清水氏、タイ国政府観光庁の藤村氏

 三菱総研による調査結果発表の後のパネルディスカッションでは、宮崎氏がモデレーター、東洋大学客員教授の越智良典氏がコメンテーター、そしてスペイン政府観光局日本局長プロモーションマネージャーの風間裕美氏、マレーシア政府観光局大阪支局マーケティングマネージャーの清水貴美子氏、タイ国政府観光庁東京事務所マーケティングマネージャーの藤村喜章氏がパネリストとして登壇。

 パネリストの3氏はコロナ禍の最中からこれまでの取り組みや回復状況、今後の戦略などについて説明。今後については、短期的な取り組みとして動きの早いと思われる層への働きかけや、好調なインバウンド需要を受けた双方向チャーターや経由便の活用などのアイディアが挙げられたほか、ワーケーションを含めたロングステイや若年層の開拓なども施策として言及された。

 さらに現在はサステナビリティやSGDsの観点も業界全体として重要なポイントとなっているが、これを有効に活用する新たなプロモーションのテーマ設定や、バンコクなど主要観光地以外への地方分散も取り組むべき課題として取り上げられていた。