法律豆知識(124)、旅行業者のリスク管理(4)−バス事故の判例から

<台湾のバス事故の判例> 昭和61年2月24日午前7時55分頃、台湾で日本の旅行業者が企画・募集したパック旅行を催行中、乗車したバスが道路から逸脱・転落し、旅行者ら8名が死亡するという大事故が発生した。これに対する東京地裁平成元年6月20日判決は、数少ないバス事故の判例として重要である。転落の主原因は、運転手が対向車とすれ違う際、ハンドルを切りすぎた過失によるものであると認定された。このため、旅行業者の安全確保義務とは関係なく事故は起き、幸いに旅行業者ないし添乗員は責任なしと判断された。<添...