【若手ホテリエに会いに行くvol.4】ホテルマネージメントジャパン 竹原陸さん

  • 2022年3月28日

「教養あるクリエイターとしてホテルを表現」
新卒2年目ホテリエが目指す「豊かなライフスタイル」

-印象に残っている仕事はありますか。

竹原 弊社の運営ホテルにヒルトン東京お台場があり、オリンピック期間中は私も現場に入っていました。毎日忙しい日々でしたが、とても楽しく張り合いがありました。大きな仕事は大変ですが、従業員の成長やモチベーションに繋がることを体感する経験になりました。

 今はマーケティングやブランディングに携わっていますが、究極的には面白い仕事を持ってきたり生み出したりすることで、会社や従業員の成長に貢献することができる業務なんだと意識して仕事をしています。

-ホテルの公益への寄与についてはどのようにお考えですか。

竹原 コロナ禍により経済発展一直線の時代に終わりが来て、今後は限られたリソースの中でいかに豊かに暮らしていくかという時代になったと腹落ちした部分がありました。「豊かなライフスタイルとは何か」というのは難しい問いではあるものの、ホテルは衣食住全部を包含しているので、答えを提示しやすい産業だと思っています。レストランは食、図書館は本など、提供するモノが限られていますが、全てを備えるホテルは「豊かさ」に一番責任がある。ホテルが環境に悪いことをしていたら、ゲストは滞在中ずっと環境に悪いことをしていることになってしまいます。責任あるアクションを取ることが公益にも繋がると考えています。

-環境に配慮するアクションには対価を伴うケースも多いですが、それでもお客様に評価していただくためには何をしたらいいと思いますか。

竹原 「オリエンタルホテルズ&リゾーツ」のコンセプトとして、「地域を共創・共生する」があります。昨今環境保護やSDGsに注目が集まり、弊社でも積極的にプラスチックに対する意識を高めたりフードロス削減に取り組んだりしています。ただそれだけではなく、例えば貧富の格差をなくすことや人々を結びつけて戦争を減らしていくことなど、SDGsには様々な形があります。差別をなくしたり、知らない地域の良さを伝えたり、ホテルがあることで地域の産業が守られることなどが全て「環境保護」であると考えていますので、「オリエンタルホテルズ&リゾーツ」ではそういった様々な側面も大切にしながら運営を行っています。