【ローマ現地レポート】コロナ不況下にもかかわらずオープンした元気なホテル

  • 2022年3月11日

The Hoxton Rome

 そして3件目は「The Hoxton Rome」(4つ星)です。このホテルは、ベルニーニやカノーヴァの彫刻、さらにラッファエッロやティツィアーノの絵画といった素晴らしい作品を鑑賞できるボルゲーゼ美術館から徒歩10分程のところにあり、エントランスを入ったロビーは、誰かの家に迷い込んだような錯覚におちいるほど暖かいアットホームな雰囲気になっています。

エントランス

ロビー

客室

 2021年5月にオープンした7階建てのホテルには、懐かしいレトロ風デザインの部屋が計192部屋(ただし全室シャワー・オンリー)用意されていて、事前に連絡をすれば何時でもチェックイン&チェックアウトをできるというHoxtonチェーンホテルのルールは大きな魅力です。

 Beverlyという名からも連想されるアメリカ・カリフォルニア風料理とのフュージョン・メニューが楽しめるレストランには、イタリアの自然派ナチュラルワインが豊富に取り揃えられているのが特徴です。

 そして大胆なことに、レセプションでホテルの外の通常のお店と同じ値段でドリンクが販売されていて、購入したドリンクを同行者とロビーに座って飲むこともできます。1階のカフェ、バー、ロビーの仕切りがなく、好きな所に座って自由に利用できるスペースとして提供されています。

 地下1階の会議室エリアも「アパートメント」という名前の通り、入ったところにキッチンスペースがあり、まるで招待された人の家の部屋を使っているような、アンフォーマルなリラックスしたミーティングを行えるようになっています。

 今回取り上げたホテル3軒に共通していると思われることを次の通りまとめてみました。

-スタンダードな枠を超えたデザイン
-レセプションをエントランスから見えない位置に配置し、ロビーをアクティブなスペースとして提供する。
-F&Bセールスのターゲットを宿泊客だけでなく地元の住民にも広げる

 日本のホテルにもこのようなトレンドが見られるのか興味がわくところです。

 今回取材をしたどのホテルからも、「オープンしてからこれまで日本人観光客に利用してもらったことがまだないので日本人ツーリストの予約を心待ちにしている」とのメッセージをもらいました。ローマにて観光業にたずさわる者の1人として、私も日本の皆様のイタリアへの旅行が再開されることを心より楽しみにしております。

中西勝哉
1997年に渡伊。ローマにて旅行会社・航空会社に勤務した後、旅行業の恩師が創設しイタリア発インセンティブツアーやVIP訪伊観光をメイン業務とするALPHANET社へ転職。2019年から同社代表。別途同社が取り扱うイタリアのワインについて造詣を深めるため(?)、日夜ワインの試飲(痛飲)に励んでいます。