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地域に分け入るJAL社員たち~福井県若狭町編~

  • 2022年2月28日

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新旧の魅力を発信して誘客拡大を目指す


-地域が抱える課題や目標、それに対する取り組みについて教えてください。またその課題のなかで、JALからの出向者の方に期待することは何でしょうか。
若狭町観光振興ビジョン

 若狭町では、2020年度に第3次観光振興ビジョンを策定し、「都びとより愛されし食と雅遊(がゆう)の国(まち) 若狭町」を基本理念に観光地づくりを進めています。前回のビジョン策定から5年が経過し、アフターコロナを見据えた観光振興や、2024年に予定されている北陸新幹線敦賀開業、2025年の大阪関西万博などに対応すべく、広域的かつ外部からの視点を持ち、若狭町のあるべき姿の実現に向けて官民共通の目標および取り組みをまとめました。

 近年では観光客のニーズが多様化し、観光施設の周遊だけでなく、その土地ならではの体験や交流を望む「ほんもの」志向の観光客が増加傾向にあり、若狭町でも素材の磨き上げを進めているところです。町の観光部局として初めて出向者を受け入れることとなった大きな目的として、旅行業界での豊富な経験を活かした誘客策の提案や、地元関係者との交流を通じた新たな人材発掘と育成があります。約1年が経過し、課員と一丸となって業務に取り組んでいただいています。

-今後の需要回復も見据えて、コロナ後はどのようなターゲットにどのような商品・素材を紹介していきたいですか。

 若狭町への県外からの観光客は、約7割が関西、中京方面からで、関東方面からは1割未満となっています。2024年春の北陸新幹線敦賀開業を最大のチャンスと捉え、関東方面、特に首都圏からの誘客に力を注いでいきたいと考えています。現在は周辺6市町で組織する若狭湾観光連盟が中心となり、それぞれ地域の特産品PRを軸とした宣伝活動を行っており、2022年度からはコロナの感染状況をみながら、福井県全体で首都圏にてイベント等を開催し、新幹線開業を盛り上げていく予定です。

 また、若狭地方は教育旅行の誘致に積極的に取り組んでおり、地域全体で中京、関西方面からの学校を中心に100校を超える実績があります。特に漁村での宿泊を伴う体験メニューに一定の評価をいただいていることから、新幹線の開業を契機として海のない県、長野県や群馬県からの誘致活動を行っていきたいと考えています。

-観光事業者や他の自治体と連携して取り組みたいことがあれば教えてください。

 若狭町では、熊川地区を起点とする河内川ダム周辺で「若狭アドベンチャーツーリズム拠点整備事業」が進行中です。周辺の自然を活かしたトレイルコースやキャンプ場を整備するもので、2022年度の完了を目指しています。また2021年度から、県と若狭地方6市町が中心となり、「ナショナルサイクルルート」の認定を目標に、コースの設定やイベントの開催等の取り組みが始まっています。こうしたアクティビティは、旅行会社や報道機関との連携による周知活動や商品化が必要不可欠なので、周辺自治体も含め連携を強化していきたいと思います。

 また、若狭湾や三方五湖周辺にはアットホームな民宿、旅館が数多く点在しており、年間を通して日本海で獲れた新鮮な魚介類で観光客をもてなしています。ところが町内にはホテルが1軒しかありません。年代を問わず洋室を希望される観光客も多いことから、リゾートホテルの誘致にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。