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旅館の良さを新感覚“RYOKAN”で-ONSEN RYOKAN 由縁 札幌 支配人/エリアマネージャー 粂川正氏

  • 2021年12月2日

コロナ禍は成長を示すための準備期間
利用のハードルを下げて若者や外国人客にも

-旅行会社やOTAとはどのように接していく考えですか。

粂川 札幌の宿泊施設は旅行会社と切っても切れない関係です。札幌に旅行するには航空機を主とした移動手段の手配が欠かせないからです。OTAに関しても同様です。旅行会社やOTAとは関係性を深めて良い協力関係を築いていきたいです。最近は自社サイトを重視し直販率を高める宿泊施設も目立ちますが、自社サイト運営にかけられるパワーが限られていると、集客できる人数は限られます。それで客室の8割、9割を埋めるのは困難です。その意味でも旅行会社やOTAとの協力関係の構築は重要です。

-旅行会社、OTA、自社サイトがバランス良く機能することが大事だと。

粂川 その通りです。とくに今回のコロナ禍の件で痛感しています。バランス良く保つのが一番で、何か1つが突出すれば躓いた際のダメージが大きくなります。客層の構成を含めバランスの良さが最重要です。

-宿泊施設としての地域への貢献策や環境問題への取り組みいついて教えてください。

粂川 UDSでは由縁 札幌、由縁 新宿、ホテル カンラ 京都、ホテル エディット 横濱、ホテル アンテルーム 京都、SOKI ATAMIの6つの宿泊施設の使用電力に関して、今年9月から順次、実質CO2排出ゼロのグリーン電力に切り替えています。また由縁 札幌としてはアメニティ類の使い捨てプラスチック削減を目指して、納入業者さんと共に方法を模索中です。またUDSはもともとまちづくりを出発点としていますので、地域社会をどう盛り上げていくかという視点は常に持っています。ですから由縁 札幌も自らの施設で地場の食材を扱うだけでなく、北海道の食材を他地域へ紹介することで、少しでも地域活性化に貢献したいと思っています。その一環として根室やニセコの食材を関東の施設に紹介し、コラボレーションの機会創出を支援したいと考えています。

-最後にトラベルビジョン読者へのメッセージをお願いいたします。

粂川 北海道に縁がなかった私が札幌に赴任して2年弱。改めて北海道と札幌の魅力を実感しています。また宿泊客が少しずつ戻るに連れて北海道旅行がいかに強く求められているのかを知ることになりました。大変多くの方々が北海道に来たいと望んでくれています。そうして戻ってきてくれた旅行者の方々には、私たちでできる最高のおもてなしをしたい。ですからコロナ禍のいまの時間は、需要回復をただ待っているのではなく、成長を示すための準備に充てる時間としていかねばなりません。北海道旅行はやはり素晴らしい体験だと思ってもらえるようにすることが、われわれ北海道の観光関連事業者の使命だと思います。

-ありがとうございました。