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20代社員が振り返る今週のニュース ー JATAは会員の声を聞いて、コロナと戦える組織になって

  • 2021年8月19日

 お盆の休刊期間をは挟み、2週間ぶりの当コーナーです。なんだか祝日で最近もお休みしたばかりだったので変な感じです。

 観光産業にいると「お盆休み」という感覚がいまいちピンとこず、お問い合わせでもいくつか「ニュースが更新されていません」「メールニュースが届かなくなってしまいました」とご連絡を頂きました。我々としては、届かないとすぐ気がついてくださる読者の方々が沢山いてくださることに感謝しつつ、もう少し告知をしっかりせねばと反省しております。

 お盆期間を挟むと触れる記事も少し前のものがあります。この2つの記事などはまさしくそうなのですが、大事な記事だと思うので触れていきます。

 2つともJATAに関わる記事です。まず、7/28に行われたウェビナーの記事。この2週間で圧倒的トップPVの記事です。
 内容はアウトバウンド再開に向けたもので、ワクチン接種を受けて今年の12月から来年3月にかけて、部分的にアウトバウンドが再開されることを想定していること、海外旅行の企画には半年ほどの時間が必要と考えての開催とJATA会長の菊間氏は述べられ、今後のJATAの動きやサスティナブルツアーなどに関して話すといった内容でした。
 しかしこちらの記事、頂いたコメントを見るとJATAに対して肯定的なものはあまりありません。否定的な方の意見としては下記のような感じでしょうか。

 ・ まず現地のオペレータの情報などが欲しい
 ・ 話された内容に具体性がない、現実的ではない

 各地の情勢を手に入れるのは、このコロナ禍の世界において旅行会社にとっても簡単なことではありません。アウトバウンド再開に向けて話をしても「そもそも利用できる人材が現地にまだいるのか」という不安を抱えるのは当然のことです。昨年プレスリリースで海外で観光産業に従事する日本人の4割が職を失ったというのもありました。現在はそれより更に悪化しているでしょうから、壊滅的な状況になっている観光地が存在しても不思議ではありません。
 そんな中でサスティナブルツーリズムがどう、マスツーリズムはもう厳しいという話をされても、いやそういう話じゃない今は、ということでしょう。さらに言えば、そもそも観光産業がほとんど動かなかった1年半にうけたダメージをどうにかしないといけないのに、半年後から部分的なアウトバウンド再開に向けてどうこうじゃなくて今をどうにかしてくれ、という話もあるでしょう。
 ロードマップのことや働きかけをするといった内容に関しても、現在のコロナの状況を考えるとロードマップは現実味が薄く、働きかけは具体的に何をどうするのか、といったところでしょうか。
 私個人としては、必ずしもこのウェビナー全部が悪かったとは思っていませんが、JATA会員が求めるものとズレているというのは確かに感じました。旅行会社はまさに今困っているわけで、半年後に限定的に復活するアウトバウンに関してどうこうや、世界の今後の旅行トレンドよりも、飲食店が受けているような真水の支援が欲しいんだというのが正直なところではないでしょうか。GoToトラベル事務局の委託費用1,866億円を真水の援助にまわしてくれ、と思っている方も少なくないでしょう。
 具体性のところに関しては、理想を言えば具体的にこうしてくれとどこどこに提言します、という内容があって欲しいところですが、これだけ日々コロナの状況が悪くなることを考えると、なかなか具体的なことを言いにくいというのもわかります。実際、ロードマップを提示されても作成された時と今の状況が違いすぎて実用に耐えうるものにはなかなかならないでしょう。ここを批判されるとJATAとしてはどうすればいいんだ、という気持ちかもしれません。その前にやるべきことをやってないからだという声も聞こえてきそうですが。結局、JATA会員や観光産業従事者が今求めているものと、JATAが行うことにギャップがあるのでしょう。

 そういう意味で、他メディアのキュレーション記事ですが菊間氏がワクチン接種者への旅行を認めるよう訴えたという記事に対する皆様のコメントは象徴的です。
 これの問題の一つは菊間氏が「旅行を認めるよう」訴えたところでしょう。皆さんご認識の通り、少なくとも法的に旅行が禁止されているわけではありません。あくまで行動制限はお願いで、法的なものではありません。菊間氏がこの事を認識されていないわけでは当然ないでしょうから、あくまで言い方の問題で要は「ワクチン2回打った人は皆旅行に言っていいよと政府はアピールしてくれ」ということでしょう。

 さて、この件は当初Twitterなどで、一般の方からかなり叩かれています。(援護意見も割とありましたが)
 デルタ株の流行や日々の感染者数、病床の不足が毎日のニュースで叫ばれる今では当然の流れかと思います。そんな中、業界が「ワクチン接種者はOKでしょう」とただ単に言うだけでは旅行業界は世間から叩かれてしまうだけです。コメントで書かれているかたも複数いらっしゃいますが、安全性を高めるための施策もセットで提案するのが本来あるべき姿でしょう。そして、結局はこういうところで具体性のある何かを話さず、漫然と「こうしてくれ」というだけというのが、コメント欄で噴出するようなJATAへの不満となるのでしょう。
 これまで、私は「JATAはこうするべきだ!」という意見を持っていましたが、そもそもその前にJATAは会員の意見に耳を傾けられる素地を作るべきなのだと、最近は思います。少なくとも今、そのような素地があるとは到底思えません。
 JATAは旅行業界が一丸となってこの苦境と戦うために必要な組織なはずです。コロナと戦える組織になっていただきたい。