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消えていく旅行会社、生まれてくる事業 ー 20代社員が振り返る今週のニュース

 今週のランキングは1位と2位が対照的です。まず、1位の旅行会社60社の廃業に関して。このコーナーを初めてから官報による廃業数のニュースは毎回ランクインしていますが、この数は流石に衝撃が大きかったのでしょう。これまで月30社前後の廃業数だったものが、いきなり倍になってしまいました。コメントに書かれている方もいらっしゃいましたが、この廃業となった企業のうちいくつが本当に旅行業を業務として行っていたのかという点はこのニュースからはわかりませんし、実際に廃業したタイミングと官報に掲載されるタイミングにはギャップもあるので、そういう意味では正確な数字ではないのかも知れません。それでも、60社です。日本国内の旅行会社が約1万社と2019年ではなっていました。ざっくりと言えば一月で0.6%の会社がこの業界から消えたことになります。

 この60社のうち多くは、コロナがなければおそらく旅行会社として事業を継続されたでしょう。それらの経済活動が失われ、人材が流出していっているということは本来であればもっと大きくJATAや政府に取り上げて欲しい問題なのです。雇用創出産業でもある観光産業がどんどん縮小していくことは決していいことではないはずなのに、真水の支援はないまま、業界団体も業界を助けるための大きな動きを見せません。ただ弱っていく産業を傍観しているだけならば誰でも出来るわけで、旅行会社の偉い方々がJATAの役員になられているのですから、是非業界団体としての動きを見せて欲しいものです。

 一方で、これまでに日本にはなかったマイルシェアという新しい事業に関する記事が2位になっています。なんで日本では海外のようにマイルが売買できないのか、どんな仕組みで事業をされているかなど興味は尽きないですがそこは一旦置いておいて、こういったアイデアの事業が新しく生まれてきてるということが業界の光だと思います。昨今はいろんな業界でイノベーションが起き、新しいスタイルの事業が続々と始まっていますが、なかなか観光産業では他業界程聞くことがありません。法律の問題などで起きにくいということもあるのでしょうが、それにしてもです。その状態を他業界から来られた方が打破して新しい事業を観光産業で始める、というのは業界にとっても非常にいいことのはずです。

 他社さんの記事ですが『コロナ後の観光はどうあるべきか。おっさんが好き勝手にアドバイスしてきた』という記事を先日読みました。記事内にも「素人が好き勝手言うけど見守ってください」という注意書きが書かれていますが、私としては「まさしく!」と叫びたいような部分がたくさんありました。この記事は宿泊業向けの内容ですが、業界外の方の知見というのは新しい何かを始める時に非常に役に立ちます。最早しばらく既存の旅行モデルで大きな収入が見込めない今、外部の方々のアイデアを積極的に取り入れた旅行事業は1つの道になりそうですね。

<編集部より>
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