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ネット販売全盛でもリアル店舗は必ず必要 三洋航空サービス社長の中塚裕博氏

  • 2021年3月11日

新たに大手店舗を引き継ぎ出店
将来のリスクに備え業態変更も

-今後の店舗戦略についてお聞かせください

中塚 今はネットで何でも買えますが、店舗がなくなると困る客層はまだ多いと思います。やはりスーツケースを持って駅や空港の階段を上り下りするのは大変です。欧米やアジアの周遊旅行で飛行機、ホテル、レストラン、移動手段などをすべてネット手配するよりも、かかり付けの旅行会社担当者に依頼する方が安心で確実ではないでしょうか。団体旅行もまだまだネットでは完結しないでしょう。

 しかし、専門知識を持ったコンサルティングができる社員のいる会社になっていかないと淘汰されるでしょう。弊社でも、コンサルティング力を高めるために、現在コロナで中断している社内試験を復活していきたいと考えています。

 神戸の高級住宅街にある弊社の営業所では、富裕層の顧客も多い。また、弊社は兵庫県と大阪府の医療系組合とのお付き合いが長く、医師やその家族の利用も多い。そうした層は、店舗や担当者に海外旅行を求める傾向は依然として強いと思っています。

 また、自社営業のほかに、近畿日本ツーリスト特約店として三洋旅行を展開しています。大手では運営が難しい店舗でも、弊社のような企業だと十分にやっていけるところは多くあります。既存の設備の引き継ぐことができるため、設備投資も少なくて済む。また、弊社のカルチャーにも刺激が与えられ、仕事が活性化するので、いいことではないかと考えています。

 コロナ禍で大手旅行会社は来年3月までに300店舗以上を閉店すると聞いており、弊社としてはそれをチャンスと捉えています。現在、後継店として首都圏1店、関西圏2店の出店を10月に計画しているところです。

-コロナ収束後に向けて新たに取り組まれる事業があればお聞かせください

中塚 将来新たなパンデミックが発生した場合、旅行業だけではダメージが大きいので異業種への参入を検討しています。具体的には、弊社には外大出身者も多いので、不採算店舗を利活用し、国の事業再構築補助金も活用しながら、キッズ英会話や学習塾に業態変更を行う計画を進めています。店舗の立地もいいため、その需要はあると期待しているところです。

-行政あるいは業界団体にはどのような期待をお持ちですか

中塚 Go Toトラベル終了後の景気刺激策として所得税控除となる旅行減税を新設していただきたいと思っています。Go Toトラベルのような税金のバラマキではなく「ふるさと納税」のように個人申告にすれば、国や旅行会社や宿泊施設の業務も省かれるのではないでしょうか。

 弊社は全国旅行業協会(ANTA)に加盟しています。ANTAには数人でやっている旅行会社が多く、大手とは悩みが違いますが、今までもクレジットカードの手数料率など、提案したことを実現してくれています。出来れば全国共通の旅行券を発行していただき、旅行積立を商品化していただければ顧客の囲い込みにつながります。

-最後に観光産業へのメッセージをお願いいたします

 「感動創造産業」という自覚と誇りをもって切磋琢磨していきましょう!

-ありがとうございました