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発信力を磨いて「頼られるDMO」に、三重県観光連盟 事務局次長 川口政樹氏

-「頼られる組織としてのDMO」を標榜されていますが、具体的な内容を教えてください

川口 三重県内の観光事業者に加えて、市町村の観光行政の担当者や観光協会にも頼られる存在になりたいと考えています。

 会費収入に支えられている我々は、事業者に会費を払う以上の価値を感じてもらえなければ存在意義がありません。もちろん存在ありきではありませんが、DMOとしての役割やメディアとしての役割を考えると、やはり地域の観光推進組織は必要ですし、それが機能することは県の観光振興にとって非常に大切なことだと思います。連盟が発信力を高め、「連盟に入会していないともったいない」と事業者が進んで参加するような形が理想で、それが結果的には頼られる存在、何かあったとき相談相手としてまず思い浮かべてもらえるような存在になるということに繋がります。

 海外のDMOには宿泊税やTIDのように事業者の方々から負担金を集める仕組みがあり、受益者負担の考え方が明確なのですが、日本ではまだ根付いておらず、また税金ではDMOに直接お金が入ってこないという課題もあります。DMOが頼られる存在となり、地域のすべての事業者が喜んで会費を払っていただけるくらいの価値を提供できるようになることが解決に繋がるのではないかと思っています。

-県をまたいで広域での取り組みは考えておられますか

川口 今はできていませんが、観光される方に行政の区分けは関係ありません。例えば熊野古道は三重県と奈良県と和歌山県にまたがっていますので、既に行政レベルで連携しているところに加え、各地の観光協会やDMOと連携してお客様を相互に送り合うなどの取り組みをしていければなと思っています。

-トラベルビジョンの読者に向けてメッセージをお願いいたします

川口 コロナ禍でそれぞれの施設や事業者が単体で頑張ることには限界が来ています。これからは垣根を越えて広く連携し、地域全体で魅力を上げていくのだという意識を持つ必要があるのではないでしょうか。観光協会やDMOが中心となって地域の連携を進めることで、この困難も乗り切っていけるのではないかと思います。

 もし三重県の観光事業者と接点を持ちたいといった要望があれば是非ご相談ください。公益社団法人という性質上、一部お応えできないケースもありますが、事業者にプラスになる案件は積極的に繋いでいきたいと考えています。

-ありがとうございました