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【インハウス旅行会社に聞く】コロナ禍での気付きを大切に、新しい旅行の形を-ダイキン福祉サービス 本村一郎氏

  • 2021年2月1日
-2021年および2022年の業務渡航需要についてはどのように見ておられますか

本村 ダイキングループではグローバル化を進めており、基本的には地産地消を推進していますが、海外生産拠点での新製品の立ち上げや生産移管、テクニカルサービスなど現地に行かなければできない業務もあります。ワクチン等が行き渡ればそうした出張は徐々に回復していくと思います。

 営業や企画管理部門などではオンラインを活用する機会が増えています。一方で価格交渉や協業に関わる業務などはFace to Faceでなければ分からない部分もありますので、今後も出張が完全になくなることはないでしょう。

 また、ほかにも若手社員の海外での研修業務や海外駐在員の異動などもあります。さまざまな要素が絡むため、今後の需要について現段階で具体的な数値を示すことは難しいのですが、IATAの予測でも言われている通り、2019年のレベルに戻るにはあと3年はかかるのではないかと考えています。

-コロナ収束後に向けて取り組まれている施策などがありましたらお聞かせくだい

本村 これから旅行業は今までの形から少し変わってくるでしょう。例えば団体旅行ではオンラインを活用したバーチャルツアーを提案したり、MICEでは「密」を避けた会議や懇親会の形態を探るなど、時代の変化についていく必要があると考えています。

 またインハウスエージェントとしては、親会社の課題解決に向けて常に新しい提案を続け、これまで以上にwin-winの状態を作り出さなければなりません。なかでもやはり出張者のリスク管理が重要ですので、どのツールを導入するのが良いかなどの検証も始めています。全社の従業員が安全に出張できる形態を作り上げることが究極の目標ですね。

-最後に観光産業従事者へのメッセージや提案がありましたらお願いいたします

本村  皆さん非常に苦労していらっしゃると思います。コロナがいつ頃収束するかは不透明ですが、政府でも観光事業を契機とした地域振興策を出してくれていますし、我々もコロナ禍だからこそ気付いたこともあるのではないでしょうか。そうした気付きを大切にして、変化に合わせた新しい旅行の形を取り入れるなど、逆境を前向きにチャンスと捉えていくことが重要ではないかと考えています。

 当社はインハウスエージェントですが、困りごとは一緒に解決していけたらと思っています。今は非常に辛い時期ですが、必ず終わりは来ると信じています。その日を笑顔で迎えられるよう、皆さんと共に歩んでいきたいと思います。