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【インハウス旅行会社に聞く】コロナ禍での気付きを大切に、新しい旅行の形を-ダイキン福祉サービス 本村一郎氏

  • 2021年2月1日
-コロナの業績への影響はいかがでしょうか

本村一郎氏。インタビューはオンラインで実施した 本村 どこの旅行会社も同じだと思いますが、業績は2019年比では20%から30%に落ち込み、大打撃となっています。Go Toトラベルなどの支援で少し持ち直したかとも思いましたが、第3波でまた大きく影響を受けるなど、2020年はコロナに振り回された1年でした。

-需要減退に対応されるためにどのような取り組みをされているかお聞かせください

本村 交際接待費や旅費交通費の削減など、できる限りのことは行っています。ですが「人を基軸とした経営」というダイキングループの理念に基づき、現在のところ雇用調整などはしない方向です。旅行部門から他部門への異動はありますが、雇用はしっかりと守っています。

 とはいえコストセーブにも限界があるため、業務そのもののやり方を変え、収益に繋げる取り組みも行っています。そのうちの1例として、国内出張に関しては一昨年より従業員によるセルフブッキングを導入しました。実は親会社では利用するシステムの管理をどの部門が行うか侃々諤々の議論をしていたのですが、その時当社で管理する旨を提案し、対価もいただくこととなりました。手前味噌ですが、これは親会社から対等なパートナーとして信頼を得ていたからこそ任せてもらえたのだと考えています。

 海外出張においては、この状況下でも渡航しなければならない従業員に対し、人事本部とタッグを組んで一元管理を行っています。コロナ禍で複雑化したビザの手配をはじめ、PCR検査や帰国後の待機場所の確保などをワンストップで管理し、出国から帰国までの安全を確保しています。

 また、少しでも販売を伸ばすため、旅行部門全体でGo Toトラベルの積極活用にも取り組みました。当初は国内出張にも適用できたため、コストセンターとして財務部門に向けて出張経費削減のために利用するよう提案し、併せて金券に該当する地域共通クーポンは全社でガバナンスを効かすためのガイドラインを作るなど、事業開始と同時に活用できる体制を整えました。11月初旬から出張は対象外となりましたが、親会社との関係性をより高めることができたのではないかと考えています。