【コロナに負けず】KPG HOTEL&RESORT取締役社長兼COOの田中正男氏

機を逃さず迅速な対応で需要を取り込む
沖縄振興に向け人材育成への投資を継続

田中氏(写真提供:KPG HOTEL&RESORT。インタビューはオンラインで実施)   賛否両論のGoToトラベルキャンペーンが続くなか、10月1日から東京都を目的地にする旅行と東京都在住者の旅行も対象に加わった。2019年度の国内旅行者のうち約5割は東京からの旅行者という沖縄県は、9月5日をもって独自の緊急事態宣言を解除しており、来島者数の増加に期待がかかるところだ。

 しかし、KPG HOTEL&RESORTの取締役社長兼COOとして、沖縄・九州エリアの6つのホテルを担当する田中正男氏は、来島者数は増加しているが「勝ち組と負け組に分かれてきている」と話す。沖縄ホテル協会の理事も務める同氏に、沖縄の現状やコロナ禍での取り組みを聞いた。インタビューは10月7日に実施した。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

-沖縄の観光産業の現状についてお聞かせください

田中正男氏(以下敬称略) GoToトラベルキャンペーンの対象に東京都民が含まれるようになってから、ホテルにより稼働率に差が表れてきた。5つ星の高級ホテルやADR(平均客室単価)が高いホテルはお客様が増えてきはじめているが、ADRが低いホテルや、団体やインバウンドが中心のホテルは相変わらず稼働率が低い。

 私は沖縄で、恩納村のコンドミニアムホテル「カフーリゾートフチャクコンド・ホテル」と読谷村の「グランディスタイル沖縄読谷ホテル&リゾート」の2軒の高級リゾートと、ファミリーや団体向けに沖縄市の「オキナワグランメールリゾート」、名護市の「沖縄サンコーストホテル」の運営を担当している。従業員数はアルバイトを含め約900名だ。

 このうちカフーリゾートは、GoToトラベルキャンペーンを利用した東京発着のお客様を中心に好調で、10月の2週間で合計およそ3000室の予約が入り、大型団体のキャンセルを埋めることができた。10月は売上が前年の70%くらいまで回復し、11月も80%程度で推移しており、10月から12月は勝ち組でいられると思っている。

 政府が10月1日から開始した「地域共通クーポン」についてもホテルのレストランなどで使われ、売上の増加につながっている。一方、グランメールについてはまだ前年の25%程度の稼働率で、苦戦しているところだ。