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韓国の「リーディングLCC」、チェジュ航空が取り組む新たな差別化

  • 2019年5月23日

座席2クラス制や仁川自社ラウンジなど計画
韓流スターの東方神起によるアピールも継続

-7Cの成長の原動力は何でしょうか

イメージキャラクターを務める東方神起(写真提供:7C)  LCCとしては基本的なことだが、利便性の高さと安さを兼ね備えていることだと思う。利便性の高さについては、日本全国の多くの都市に就航しており、便数も豊富だ。例えば関空からは韓国各地へ毎日10便を運航しているし、成田からも仁川へ毎日4便、7月からは毎日5便を運航する。日本人旅行者が「韓国を旅行しよう」と考えた時に、7Cが一番便利なLCCとなっているのではないだろうか。

 しかも、LCCのなかでは比較的安い料金を提供している。各空港では積極的にLCCターミナルを使用し、空港利用料を節約した分を料金に還元している。成田はもちろん、関空でも昨年からLCCターミナルを利用しており、中部もまもなく完成するLCCターミナルに移転する予定で準備を進めている。

 もう1つの理由はマーケティングの成功だ。特に韓流スターを起用したプロモーションが成果を上げていて、具体的には東方神起の起用が当たった。17年にイメージキャラクター契約を締結してマーケティングを展開してきたことで、日本市場における7Cの認知度と評価が高まるとともに、7Cのウェブサイトへのアクセス数も増大した。イメージキャラクター契約は2020年半ばまで続く予定で、その後もマーケティングを強化していく方針だ。

-販売面ではどのような工夫をしていますか

 モバイル対応にも力を入れている。スマートフォンなどのモバイル端末からウェブサイトにアクセスして予約・購入する利用者は、15年度は15%程度だったが、現在は25%にまで増加した。ただし、日本市場ではウェブサイトでの直販よりも、OTAを含む旅行会社経由での販売の方がまだまだ多く、特に40歳代以上ではその傾向が顕著だ。

 そのため、旅行会社との協力関係作りにも力を入れており、パッケージツアー用に座席を提供しているほか、リクエスト次第でスポット的な座席提供もおこなっている。今後はより親密な関係を築いていくつもりだ。GDSに関しては、インフィニとアクセスに対応している。

 営業拠点については東京、大阪、名古屋、福岡、那覇、札幌、松山、静岡に置いている。鹿児島以外の全就航地に人員を配置し、地域における韓国旅行需要の開拓に取り組んでいる。