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LINEトラベルjp、24歳のアプリ開発責任者が考える「旅とIT」

中核メンバーに新卒2年目の超若手
デジタルネイティブが挑む需要獲得

-「LINEトラベルjp」の今後についてはどのように考えていますか
本間氏

本間 「LINE」は旅行前にグループで相談する段階や、旅行後に写真をシェアする段階においては頻繁に使われていますが、今後はその間の部分を埋めていくことがポイントになります。現在は「LINEトラベルjp」のメタサーチでタビマエに関わっていますが、この先1、2年でホットになるのはタビナカの部分で、その後はタビアトに続くと思います。

 タビナカをビジネス化する難しさは認識していて、これは既存のITサービス全般に共通すると思いますが、やはりマネタイズするための部分が一番難しいです。個人的には、まずはタビマエの段階でしっかりマネタイズした上で、タビナカで優れたサービスを提供してユーザーをつなぎとめることが重要と考えています。「LINE Pay」などを連携させ、予約だけでなく決済までのサービスをシームレスに提供できるようになれば、自ずとタビナカのサービスも使われるようになるのではないでしょうか。

-旅行はECの商材として特別なものだと感じますか

本間 正直に言えば、他の商品とそれほど変わらないと思います。ITの発達によってECも進化していますが、旅行も商品として同じ流れを辿ると見ています。また、他のECと同様に今後はアプリを介しての利用が進むと考えています。

-「旅行業界に携わる人間」としての意識は強いですか

本間 勿論、そういった意識は持っています。最近ではクライアントであるOTAの方々などとお話しする機会も多いですが、「あちらは旅行業界でこちらはIT業界」といった考えはなく、「旅行に携わる者」としての気概を持ってサービスを作っています。ただし「インターネットに携わる者」としての感覚を失っても駄目なので、その点は意識しています。

 旅行業界には、まだまだIT化できる部分が多いと感じています。IT業界の側に立って見れば、旅行業界と連携し、協力しあうことで、最終的にはより良いサービスをユーザーに提供できると思っています。

-これまでにはどのような旅行をしてきましたか

本間 学生時代には海外のOTAを使って、グレイハウンドでのアメリカ横断、南米や東南アジアでのバックパック旅行など、かなりガッツリと海外を旅行しました。一番楽しかったのはウユニ塩湖を見に行ったボリビアで、ある街ではデモに遭遇したりして驚いたこともありましたが、良い思い出です。自分でもかなりの旅行好きだと思うので、この仕事をしていて「辛い」「つまらない」と感じることは全くないです。

-近年は若者の旅行離れが進んでいると言われていますが、当の若者としてどのように考えていますか

本間 個人的にはそのような実感はありませんが、インターネットが普及している今、若者が旅行以外のエンタメコンテンツと接触することが多いのは間違いありません。これまでは休暇におけるメインコンテンツだった旅行に投じられていた時間やお金が分散し、音楽やゲームなどに費やされるようになったのは自然な流れです。お金の使い方が分散していく傾向は、この先も変わらないと思います。

 ただ、お金の使い方が変わっても、若者のメンタリティそのものが大きく変わったわけではないと感じています。だから今後は旅行とその他の業界、例えば音楽や飲食などが連携して、タッチポイントをいかにたくさん作っていけるかがカギになるのではないでしょうか。