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JATA、海外旅行者の安否確認システムに協力、「不安を払拭」

  • 2018年3月6日

權田氏(17年1月撮影)  日本旅行業協会(JATA)によれば、同会は観光庁が3月2日に開催した非公開の「若者のアウトバウンド活性化に関する検討会」の第2回会合で、同庁が2018年度内の構築をめざす「安全情報共有プラットフォーム」への協力を申し出た。プラットフォームの構築は国際観光旅客税(いわゆる出国税)を投入する新規事業で、アウトバウンドに特化し、予算措置が認められた初の事業。JATAは会員サイト「JATANAVI」の掲載情報の提供に加えて、日本人ガイドの教育についても提案したという。

 観光庁は「安全情報共有プラットフォーム」を、任意で登録した海外旅行者の緊急時の安否確認などに使用するとともに、外務省や厚生労働省などの関係省庁、旅行会社などによる現地情報などを提供する考え。観光庁によれば4月頃にプラットフォームの詳細を発表し、6月頃にはシステム開発を開始。年度内には完成する見通しという。

 同検討会にオブザーバーとして参加しているJATA海外旅行推進部長の權田昌一氏によれば、「JATANAVI」の掲載情報については、パスポートやビザの取得要件に関する情報、各国の基本情報などを提供する考え。検討会の会合では、日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)が公式サイトで提供している現地の最新情報についても掲載することを提案したという。

 權田氏は本誌に対し、海外旅行の促進に向けては、パスポートの取得手続きなどの煩雑さや、旅行先でのテロや災害などに対する不安などを払拭する必要があることを説明。その上で「プラットフォーム上で、パスポートやビザの取得方法から現地のレストラン情報に至るまで、日本人が海外に行くための情報をすべて事前にワンストップで提供できれば、ハードルが下がるのでは」と期待を示した。若者の海外旅行の促進については、修学旅行で海外の姉妹都市を訪問し、その後に姉妹都市の学生を修学旅行で受けいれるなど、双方向交流の促進についても訴えた。

 日本人ガイドの教育については、日本人旅行者が多く、かつ過去にテロ事件などが発生した国や都市などで、非常時の情報収集の方法や避難のための誘導の仕方などを教育することを提案。リスクマネジメントコンサルタント会社などの協力を得て、研修を実施する構想などを語った。