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KNT-CT、再編後のホリデイはクラツー造成も-上期好調

  • 2017年5月15日

稲田氏  KNT-CTホールディングスは5月15日、都内で提携販売店や航空会社、ホテル、ランドオペレーターなどを対象に「第15回海外旅行交流コンベンション」を開催した。同社執行役員海外旅行部長の稲田正彦氏は業界誌などの取材に応え、このほど発表した事業構造改革後のホリデイの造成について説明。「ホリデイブランドは継続し、造成は地域会社とクラブツーリズムがそれぞれ担当する」と語り、「地域会社は(地域の需要に合わせた)ツーアップの商品など、クラブツーリズムは添乗員付きのツアーで長距離方面、などと棲み分ける」考えを示した。

 構造改革は「集中と分散」をテーマに、KNTとKNT個人を分割して個人旅行と団体旅行を扱う「近畿日本ツーリスト首都圏」などの地域会社や、「近畿日本ツーリスト訪日旅行」などの専門会社を設立するもの。このうち「集中」について、稲田氏は「KNT-CTホールディングス内にある海外旅行部が中心となり、(全グループの)横軸の機能を果たしていく」と話した。海外旅行部は商品造成は実施しないが、各社に対し、商品造成や販売戦略などを共有させる役割を持たせる考え。

海外旅行交流コンベンションではホリデイの説明会を約8年ぶりに開催した 海外旅行の仕入れについては、海外航空券は海外旅行部が各社の取りまとめをおこない、スケールメリットを活かす方針。ホテルやランドについては、「それぞれの地域でお付き合いしているランドオペレーターもいる」ことなどから、地域会社それぞれで担当する。

 このほか、同氏は「リスクを持って仕入れていく」必要性を説明。「客室の買い取りやチャーターなどを積極的におこなうことが、旅行会社の付加価値につながるのでは」とコメントした。

団体旅行を担当する支店との商談会も開催。観光局やホテル、ランドオペレーターなど165団体から280名以上の申し込みがあったという   同氏によれば、17年上期(4月~9月)の「ホリデイ」は、売上が前年比27%増、取扱人数も30%増と好調に推移。稲田氏は「人員、売上ともに増加しているので、安い商品を多く販売しているのではなく、ある程度しっかりした(値段の)商品にお客様がついてきている」と喜びを示した。

 好調の要因としては、商品の発売を早めるとともに、店頭で売れ筋の方面をウェブ販売専用の商品でも作るなど、店頭とウェブサイトの連携を強化したことなどを挙げた。人気の方面はハワイやミクロネシアで、アジアの都市に滞在する提案型商品などが好調という。このほか、欧州は昨年のテロ事件による落ち込みの反動で、100%増と大幅に増加した。