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JALグ、新中計は「FSCの磨き上げ」など注力、売上1.5兆円へ

  • 2017年4月30日

植木氏  日本航空(JL)グループは4月28日、2017年度から20年度までの中期経営計画を発表した。JLについては、国交省が12年に発出した投資や新規路線開設などを制限する「日本航空の企業再生への対応について」(8.10ペーパー)の期限が3月末に切れたところ。新たな中計においては、20年の東京五輪開催と首都圏空港の発着枠拡大に向けて、「FSC事業の磨き上げ」と「事業領域の拡大」の2つのテーマに取り組むとした。

 20年度の売上高や各利益の目標については、今後の環境変化を見越して具体的な数値を示していない。ただし、国際旅客便・国内旅客便・貨物便からなる「コア領域」の売上高については16年度比1割増の1兆1000億円程度を、グランドハンドリングや整備受託などの航空関連事業と新規事業からなる「新領域」については3割増の4000万円程度をめざし、合計の売上高は16%増の1兆5000億円を見込む。

 営業利益は、前中計期間と同様に年平均1800億円程度をめざす考え。新中計期間における営業利益率は、新規事業などへの投資により前中計期間に比べて一時的に低下する見通しだが、5年連続で達成した「営業利益率10%以上」については維持する。28日に開催した記者会見でJL代表取締役社長の植木義晴氏は「高い収益性を備えながら着実に成長するためには先行投資が必要」と述べ、17年度については「16年に続き、身をかがめるべき時期で、中計後半に向けてさまざまな投資を集中させる」と説明した。

 2つの大きな課題のうち「FSC事業の磨き上げ」については、機材の整備強化などにより引き続き「航空事故ゼロ、重大インシデントゼロ」をめざす。また、保安管理システムの強化などによるテロ対策、利用者の信頼度などを測るNPS(Net Promoter Score)を用いたサービスの向上などにも努める。新たな収益源の確保に向けた「事業領域の拡大」については、会見に同席した常務執行役員の西尾忠男氏が「ハイレベルな定時運航率や接客サービスなどソフトの部分を、ITを活用して他の航空会社に提供したい」との考えを示した。

 20年度の座席供給量は、16年度比で国際線は23%増、国内線は5%増を目標とし、合計では15%増をめざす考え。20年の首都圏空港の発着枠拡大については枠の半分を獲得することを想定しているという。

   機材数は16年度末時点で保有している国際線84機・国内線146機の計230機を、20年度には国際線92機・国内線139機の計231機とする計画。総機数はほぼ変わらないが、国際線で中型機のボーイングB787-9型機の導入を進めるほか、国内線では19年度から大型機のエアバスA350-900型機の使用を開始することで座席供給量を引き上げる。ロードファクターは、国際線については現在の80%台を、国内線については70%程度を維持する考え。

 ネットワークについては、新規路線開設に関する言及はなかったが、植木氏は「国際線で最も需要が伸びるのは東南アジアと北米間の乗り継ぎ」と述べ、次に日本/東南アジア間、日本/北米間を重視する考えを説明。あわせて「バランスを取って拡大することも必要なので、他の地域についても検討する」と語った。

 「成長のドライバー」と位置付ける国際線については東南アジア線などでビジネスクラスのフルフラット化、中・長距離路線で足元の広い「新・間隔エコノミー」の導入を進める。国内線については機内WiFiサービスの拡充などに取り組むという。

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