JATA田川会長、情報流出の再発防止に意欲、観光庁と連携

  • 2016年7月6日

田川氏(左)と新理事長の志村格氏  日本旅行業協会(JATA)会長の田川博己氏はこのほど開催した記者会見で、6月にジェイティービー(JTB)など旅行会社2社の顧客情報流出事案が明らかになったことを受け、JATAにおいても再発防止に向けた取り組みを強化する考えを示した。8日に「旅行業界情報流出事案検討会」の初会合をおこなう観光庁との連携を強化し、7月内に取りまとめられる予定の再発防止策を推進するとともに、JATAでも議論を進める。

 田川氏は顧客情報の流出については、現時点で2社の事案のみが明るみに出ているものの「まだまだ眠っている事案が多くあるのでは」との見方を示した。今後はJATA経営委員会のネットビジネス部会で対策を強化するほか、会員各社に向けては近々に、注意喚起のための文書を発出するという。

 そのほかには、先ごろ決定した英国の欧州連合(EU)離脱について、株安が海外旅行需要を抑制する可能性などを懸念したほか、「旅行業界にとっては往来の自由がなくなることが大きな問題」と指摘した。その上で「まだまだ(情勢を)理解できていない部分がある。影響については冷静に判断したい」と述べた。欧州旅行の回復に向けた活動は今後も継続する。

 ポンド安などを受けた、英国からの訪日旅行者の減少の可能性については、大きな影響はないとの見方を示した。今のところ、英国から日本を訪れている旅行者の多くは「浮動票」ではなく、あくまでも「固定票」であり、為替の変動に左右される層は少ないという。