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現地レポート:MSCクルーズ、ひと味違う欧州の船旅

  • 2016年5月31日

地中海最大手のMSCクルーズに体験乗船
欧州らしいスマートカジュアルな雰囲気でMICEの可能性も

地中海スタイルのクルーズを楽しむ

欧州の乗客には日光浴が人気。4月下旬だがデッキチェアでのんびりする姿も  博多出航の翌日はどこにも寄港しない終日航海日。クルーズが初めての人は「何をしたらよいか」と不安に思うかもしれないが、船内では様々なイベントが用意されている。その日の船の情報が掲載された船内新聞「デイリー・プログラム」をチェックすると、朝から予定が目白押し。太極拳やエアロビクスから始まって、タンゴやサルサなどのダンスやアート&クラフトなどのレッスン、ビンゴや輪投げのようなゲーム大会もある。

ダンスやクラフトのイベントでは、言葉の心配は不要。ラウンジ「ビバリーヒルズ・バー」にて  船内設備はリゾート施設のように充実。スパでのエステやマッサージ、プールやカジノなど、いろいろな過ごし方ができる。MSCクルーズでは企業とのコラボレーションにも積極的で、例えばフィットネスではイタリアの「テクノジム」と提携。クルーズ中に健康増進を目指すプログラムを導入するなど、独自の魅力付けに余念がない。

ビュッフェのピッツェリア。後ろのオーブンで焼きたてのピザを提供。出来上がりと同時にはけていく  夕刻以降は雰囲気が変わり、ラウンジやバーにはピアノなどの生演奏が流れ、ドレスコードがその日のムードを変える。そして1日のハイライトであるディナー、シアターでのショーと続く。メインダイニングで出すのは、イタリアンを基調にしたコース料理。華やかなメイン料理のみならず、パンやパスタ、ピザまですべて船内で作るという点にこだわりが感じられる。

クルーズ船で唯一レゴとコラボ。3歳から12歳までの「ミニ・クラブ」「ジュニア・クラブ」ではレゴを使った特別イベントも  MSCクルーズで触れておきたいのが、子供向けの施設やプログラムが充実していること。0歳から17歳まで4つの年代に分け、宝探しや子供用プールでのゲームなども用意。大人2人と同じ客室を利用する13歳未満の子供は無料、13歳から18歳までの子供には特別料金を提供する。こうした施策で家族客の人気を得て、MSCクルーズの平均年齢は業界平均の60歳を下回る55歳と若い。日本人の平均年齢も58歳。ハネムーンを含む若いカップルも多いのが、年齢を引き下げている理由だという。

スタッフの陽気さもMSCクルーズの魅力  MSCクルーズでは日本人乗務員を乗せる船もあり、そこでは船内新聞やメインダイニングでのメニューを日本語で用意している。船内イベント、メインダイニングやビュッフェの食事、シアターでの毎晩のショーなどは無料だが、スパやフィットネス、有料レストランやカフェバーでの飲食、ゲームの貸し出しなど、費用がかかるものがある。これらはクルーズ会社によって異なるので、しっかり確認して旅行者に案内したい。