トップインタビュー:ピーチ・アビエーション代表取締役CEOの井上慎一氏

「女性向け・低価格・高運航品質」で地位確立
17年度までに20機体制、搭乗者数700万人めざす

―「お客様と安全」に関わる部分以外で、コスト削減に取り組まれていると

段ボール製のチェックイン機 井上 プロセスを色々と工夫し、「普通は10かかるところを5に」というような考え方で低コスト化を進めている。例えば、航空券はインターネットでの直販に注力し、最短5秒で完了する自動チェックイン機も導入した。

 プロモーションも同じで、テレビコマーシャルなどにはまったくお金を使っていない。今回のような取材やお客様の口コミが中心だ。タレントなどを使うと、まだ就航して5年度目の弊社ではその人のイメージに引きずられてしまうし、コストもかかる。

 他社と同じことをしてもつまらないし、話題にもならないので、他社がしないようなことをしたいと考えている。例えば、機内でお好み焼きを出したりすると、宣伝しなくてもお客様がすぐソーシャルメディアで拡散してくださって話題になる。正直に言うと、色々なことを試すなかで“スベる”こともあったが、それを愛嬌として受け入れてくれる土壌が関西にはあった。

 こうした取り組みによって、安い運賃を提供しても2年連続で利益を出せており、ある程度のコストレベルには達したと思う。だが、まだサウスウェスト航空(WN)のようなレベルへの道は遠い。是非、日本で「メダリストレベル」を実現したい。


―「他社がしないことをしたい」ということですが、他社との差別化についてお聞かせください

井上 差別化策の1つがイノベーションだが、昨年11月に発表した段ボール製のチェックイン機がその一例になるだろう。元々段ボールを使って作ろうと思って始めたわけではなかったが、モニターサイズを大きくする際にコストを抑える方法として思い至った。ちなみにモニターの拡大は、例えばチェックインを待つ列に向けて「パスポートをご用意ください」とメッセージを出すことで、チェックイン手続きの前から時間を短縮できるようにしたものだ。

 そうやって今まで新しい切り口でアイディアを実現してきたが、今後はこれらの取り組みをさらに改善、発展させる。社内に対しては「第4次産業革命を指す『インダストリー4.0』は製造業だけのものか」という問い掛けをしているところで、まだ色々な話を進めている段階なので具体例は出せないが、今後の取り組みは「ピーチ4.0」をめざす。