東京第3種のエアークリスタル破産申請へ-イスラム過激派が影響

  • 2015年4月5日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、東京・新宿区の第3種旅行業であるエアークリスタルが、3月23日までに事務所を閉鎖した。今後は東京地方裁判所に破産申請をおこなう見通しで、手続きは馬場恒雄法律事務所の田中史郎弁護士に一任している。負債総額は債権者18名に対し、合計約3500万円だった。

 エアークリスタルは1999年5月に設立。資本金は1700万円で、従業員数は7名だった。南アジアや中東方面を中心にパッケージ旅行や航空券、ホテルなどの手配をおこない、2010年4月期には売上高約3億2000万円を計上。南アジア方面ではインドやネパールなど、中東方面ではヨルダンやイスラエルなどへのツアーを得意としていたという。

 しかし、東日本大震災発生後の市況低迷から、2014年4月期には売上高が2億4400万円に低下。加えて近年の円安傾向やイスラム過激派組織ISILの勢力拡大なども影響し、直近の売上高が急激に減少した。今後の事業運営の見通しが立たないことから、破産手続きに入ることを決定したという。

 なお、TSRによれば債権者は取引業者が中心で、一般の旅行者はほとんどいない模様。2004年1月に協力会員として入会した日本旅行業協会(JATA)にも、4月3日時点では問い合わせはないという。