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バニラエア、運賃値下げ、「主力商品」を明確化

  • 2014年8月7日

 バニラエア(JW)では、冬ダイヤから運賃体系を変更し、下限運賃を引き下げる。JWの運賃は通年設定の「コミコミバニラ(コミコミ)」と「シンプルバニラ(シンプル)」、キャンペーン運賃「わくわくバニラ(わくわく)」の3種類。今回の変更では、コミコミを主力商品として強くアピールする。

 もともとコミコミとシンプルでは、20キログラムまでの受託手荷物が無料で、さらにコミコミでは座席指定も無料とし、便・日付の変更と払戻も手数料の支払いを条件に認める内容。これに対してシンプルは、座席指定と便・日付の変更には有料で対応していたが、払戻は受け付けていなかった。


 今回の変更では、コミコミの条件を維持しつつ、シンプルで受託手荷物を有料化。その上で運賃はいずれも値下げした。特にコミコミは安価に抑え、シンプルとの運賃の差は従来の2500円から1500円に縮小。例えば台北線では従来はコミコミが1万2500円から、シンプルが1万円からであったが、冬ダイヤ以降はコミコミが8500円から、シンプルが7000円からとなる。

 条件面で差別化しつつ運賃は差を縮めることになるが、JW営業部長の近藤寛之氏によると、「シンプルバニラに手荷物を付けたいと思った瞬間にコミコミの方が安くなることもある値段設定」。今後は、自由度が高くなおかつ価格も手頃なコミコミを主力商品と位置付け、「こちら(コミコミ)の方をとにかくお勧め」する戦略。


 就航から8ヶ月間の実績では、シンプルが全体の6割でコミコミが1割、キャンペーン運賃のわくわくが1割、旅行会社経由が2割程度で推移してきたが、今後はコミコミとシンプルの逆転をめざすとともに、結果として年間目標の平均利用率80%超の達成に繋げたい考えだ。

 このほか手数料などの変更も実施。シンプルとわくわくで「リラックスシート」を指定するための料金を、従来の1200円から1000円に値下げ。一方、「レギュラーシート」の指定は300円を500円に引き上げた。このほか、全運賃共通の支払い手数料を200円から400円に値上げする。

 なお、旅行会社に提供する運賃については「現状のところ変更予定はない」という。これは「直販とパッケージはマーケットが違う」ためで、他の航空会社や他社のパッケージの動向を注視し、競争力のあるパッケージを造成可能な運賃を提供し、旅行会社と協力して座席を販売していきたいという。