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豪州、食とワインで誘客強化、GK便で地方発に期待も-ATE14(1)

  • 2014年6月30日

▽ニュー・サウス・ウェールズ州、日本市場に「再投資」、14年は日本人1割増めざす

ニュー・サウス・ウェールズ州政府観光局・(右から)サンドラ・チップチェイス氏、新堀治彦氏

 ニュー・サウス・ウェールズ州政府観光局では、昨年末に日本局長として新堀治彦氏を任命。日本局長は約2年間空席となっていたが、CEOのサンドラ・チップチェイス氏は「日本はシドニーの国際観光都市としての最初期からの重要市場であり、新興市場とのバランスを取る意味でも重要。震災からの力強い復興にも感銘を受けている」と、日本市場への「再投資」の理由を説明した。

 日本市場では、2013年に4%減の14万6000人であった訪問者数を2014年には「最低でも10%増」とする目標を掲げる。すでに音楽と光をテーマにしたイベント「ビビッド・シドニー(Vivid Sydney)」をフックにプロモーションを開始しており、パッケージ化や販売などについて旅行会社や航空会社と協働しているほか、交通広告も展開済み。

 また、「ビヨンド・シドニー」として、シドニーと魅力あるその他の場所をアピールする取り組みも続ける。チップチェイス氏は、「ニュー・サウス・ウェールズでは雪も降ればサーフィンもでき、レインフォレスト、サンゴ礁、世界遺産とすべてが揃っている」と強調。競馬レースや米国メジャーリーグの試合といったイベントでの需要喚起にも取り組みたい考えだ。

 さらに、チップチェイス氏はシドニー湾での再開発計画も紹介。新しいカジノや客船ターミナル、ビーチなどを含む大型プロジェクトで、工事が進められているという。


▽西オーストラリア州、経由地により顧客層拡大に期待

西オーストラリア州政府観光局・吉澤英樹氏

 西オーストラリア州政府観光局日本局長の吉澤英樹氏は市場動向について、震災直後の2011年5月10日に成田/パース線が運休になった影響が「少し脱却してきたかというところ」とコメント。

 ただし、直行便がないためキャセイパシフィック航空(CX)やシンガポール航空(SQ)などとの協働が不可欠だが、日本市場の多客期にCXであれば香港、SQであればシンガポールまでで座席が埋まり、「ピーク期に数字を作れない」ことが課題になっているという。

 このため、タイ国際航空(TG)や中国南方航空(CZ)、ガルーダ・インドネシア航空(GA)などと協力し経由地を増やしているところ。例えばCZは復路で広州に1泊する必要があるが、年末年始のツアーでは「3日間の出発日で100名の方々に買っていただけた」といい、またGAもバリとのコンビネーションが可能であることから、「シニアが多い顧客層に若者を加えることも可能」と期待している。