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豪州、食とワインで誘客強化、GK便で地方発に期待も-ATE14(1)

  • 2014年6月30日

▽クイーンズランド州、JQ関空/ゴールドコースト運休懸念も、インセンティブなど強化

クイーンズランド州政府観光局・西澤利明氏(右)

 クイーンズランド州では、クィーンズランド州政府観光局(TEQ)、トロピカル・ノース・クィーンズランド観光局(TTNQ)、ゴールドコースト観光局から話を聞くことができた。ちょうどジェットスター航空(JQ)が関空/ゴールドコースト線を運休し、成田/メルボルン線を開設した直後だけに、影響を懸念する声が多い。

 TEQ日本代表の西澤利明氏は、「関空/ケアンズ線にゴールドコーストへのお客様が乗ってケアンズが減るのではないかという危惧がある」と指摘。また、「今はオーストラリア発の方が高収益」で、日本市場向け座席供給量についての懸念もあるという。

 このため、まずは7月から9月までデイリー化される関空/ケアンズ線の販売促進に努め、通年でのデイリー運航に繋げたい考えだ。メルボルン線についても西澤氏は「せっかくの路線であり成功させたい。ケアンズ1泊、メルボルン3泊でもいい」と語り、州を超えたプロモーションにも意欲を見せた。

ゴールドコースト観光局・小林芳美氏

 一方、ゴールドコースト観光局日本地区マーケティングマネージャーの小林芳美氏は、「来られなくなったわけではなく、来ていただく方法は色々とあることをお伝えしていきたい」とコメント。特に、ジェットスター・ジャパン(GK)による成田経由やアジア系航空会社の利用をアピールしていきたいと語った。

 今後1年間のプロモーション方針について西澤氏と小林氏、TTNQセールス&マーケティングディレクターのブライアン・ヘネシー氏は、インセンティブや教育旅行への取り組みを継続すると説明。西澤氏は各種イベントでの誘客にも着手したいという。

 インセンティブについては、経済環境の好転で企業の動きが活発化しているといい、ゴールドコーストでは今年2月にも1200名のグループが3泊し、さらに来年2月にも1800名の予約が入っているところ。TTNQでも100人から200人程度のグループは受け入れているが「1000名規模もめざす」といい、コンパクトで動きやすい街の利点を打ち出していく考えだ。

トロピカル・ノース・クィーンズランド観光局(TTNQ)・ブライアン・ヘネシー氏

 加えて、ゴールドコーストではコアラのキャラクター「ビリー」について、空港だけでなく町中でのイベントなどでも活用。ビリーを探して見つけるとコインが貰え、それをショッピングに利用できる家族向けのプログラムも好評だ。一方、TTNQでは、パッケージツアーが「どの会社もかなり似通っている」ため、ケアンズにポートダグラスやアサートン高原、ミッションビーチなどを組み合わせ、商品の幅を拡充できるよう働きかけたいとした。

 このほか西澤氏は、日本旅行業協会(JATA)とブランドUSAが目標を統一して共同で取り組んでいることに触れ、同様のスキームの日豪間での実現にも期待を示した。

 なお、TTNQでは前日本ディレクターの新堀治彦氏が昨年末に退職してニュー・サウス・ウェールズ州政府観光局日本局長に就任して以降、後任を置いていない。これについてヘネシー氏は「慎重に探している」と語り、「国籍は問わないが、求められる職務に必要なスキルを持ち、日本市場の文化と日本語の理解が深い」人物の起用をめざしていると説明した。