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春闘、0.5%賃上げを統一要求、月7000円程度-サービス連合

 サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合)は2014年の春季生活闘争(春闘)の方針として、賃金カーブ(定期昇給など賃金制度)を確保するとともに、0.5%以上の実質的な賃金水準の引き上げ(ベースアップ、ベア)を要求する。従来は加盟する労働組合によって状況が異なることから「可能な限り」としていたが、経済環境の変化などを踏まえて全ての加盟組合が積極的に取り組むこととした。

 サービス連合では「35歳年収550万円」の実現を目標として掲げており、今回のベア要求もこの一環。経済が回復傾向を示していること、観光立国に向けた盛り上がりが見られる中で、他産業と比較して水準が高いとはいえない観光産業の労働条件の改善が求められていること、そして物価上昇、消費増税などの影響も考慮し、統一要求することを決めた。

 日本労働組合総連合会(連合)が1%以上のベアを求めるとしているのに対してサービス連合は0.5%以上だが、これはハードルを下げることで全加盟組合が要求可能とするため。賃金カーブ維持分の確保とベア0.5%を合わせると、1ヶ月あたりでは約7000円の増額を求めていくこととなる。

 賃金改善以外では、一時金で「35歳年収550万円」に向けて設定している「指標」を活用して水準向上をめざす。指標を使わない加盟組合は、年間支給月数を4ヶ月相当とし、すでに4ヶ月を確保できている組合は昨年の実績以上を要求する。加えて、観光・航空貨物業では到達目標水準として夏2.5ヶ月、冬3ヶ月の5.5ヶ月を掲げた。

 また、契約社員やパートタイマーなどについても引き続き待遇改善を求める。月給制の場合は、賃金実態調査をもとに定期昇給に見合う分を2200円と試算し、0.5%の実質的賃金改善分を加えた3200円以上の賃金改善をおこなう。時間給については、時給20円のひきあげをねらう。さらに、不条理な労働条件の是正、正社員と整合性のある人事、賃金制度の導入、無期労働契約への転換なども盛り込んだ。

 このほか、最低保障賃金、総実労働時間の短縮、育児中の短時間勤務制度、子どもの看護休暇と介護休暇の有給化、高齢者雇用などにも取り組んでいく。