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観光人材育成を-日本観光研究学会・フォーラム(2) 田川JTB社長「旅をデザイン」

 続いて講演した田川さんは「旅をデザインする」をテーマに、旅行業の目指すべき方向性と人材育成を話した。

 演題の意味は「五感に訴えるシナリオづくり」と説き、「旅をつくる人は全員がシナリオライター。地元の人が気付かない宝をピックアップし物語をつくらないといけない」と強調。自身が行う大学の講義でも「故郷を知らない人は観光産業に向かない。まずは足元を見つめて」と学生に呼びかけているという。

 その上で「旅の、生活のスタイルが提案できるか」が、旅行業に求められる資質と話し、「今は生活文化の見せ方を変える時代。産業論や雇用論といった視点で旅を見ないといけない。旅の力を活用すべき」と現代の旅行業を論じた。

 観光産業全体については「地域の新たな価値の創造、オリジナリティの向上が大切」とし、「ここで言うデザインとはツアーについてではなく、人も金もまわる地域の仕組み、ブランドをつくりあげること。そして旅は体験を組み合わせ付加価値を高めることが重要」と力説した。

 パネルディスカッションは両氏に加え、京都市長の門川大作さん、同学会会長の桑田政美さんがパネリスト。同学会関西支部長の吉兼秀夫さんがコーディネーターを務め、地域の人材育成と観光振興などについて議論した。


情報提供:トラベルニュース社